無事に宿にたどり着き、部屋も取ることが出来た。
私は今、部屋のなかでスマホを見ている。
時間的にもこれから薬草採取に行く気になれず。
早く宝珠を手にするには、きっと地道に依頼をこなし、ランクを上げなくちゃあいけないことは頭では理解してても、どうにも遠回りに思えて仕方ない。そんな事をしていたら、いつあの地下室に行けるのか、と憂鬱になる。
私は気分を変えるためにも、まずは、投稿アプリを開く。
「いいねの数はどうかなー。おおっ! お、おう?」
私が今日投稿した写真に早速いいねがついている。
「すごい、投稿してそんなに時間がたってないのに、もうこんなに。200以上のいいねがたまっている。あ、これは最初に投稿したディガー達の写真についた、追加のいいねも含んでなのか」
私はスマホを確認して納得する。
「新規投稿した写真にも、コメントある。何々……。 何だか渋いおじさま素敵って系統のコメントがやけに多いな。確かに歴戦の戦士揃いって感じの所を写メったけど。後はこの人はやけに鎧について熱く語ってるな。まあ、内容は肯定的なコメントで良かった」
私は次にガチャアプリを開く。
「まずは、この200いいねで、レア確定ガチャを2回! はい、ぽちっと!」
ガチャの排出される動画がスマホ上で流れる。
そして現れるリザルト画面。
レア度 レア
属性 スキル
名称 魔力物質化
「残念、レア確定でレアかー。ガチャ的には外れだけど。そして、なんだろ、これ? 魔力、物質化?」
私は首を捻るが、とりあえずスマホの次のリザルト画面に行く。
レア度 スーパーレア
属性 アイテム
名称 ユニット進化チケット
「おおお! スーパーレア! いわゆるSレア、きたぁー!」
私は早速スマホから取り出して見る。
ヒラヒラと現れるチケット。
握ると、スマホがピロンと、鳴る
スマホの画面にユニット進化チケットの文字が。
その文字をタッチすると、こんな文章が現れた。
『ユニット進化可能な個体が存在します。
・ディガー
ユニット進化チケットを使用致しますか。
注意:一度使用すると取り返しがつきません。ご注意下さい』
私は勢いで、ディガーに使おうかと思った瞬間、最後の一文が目にはいる。
「取り返しがつかないとか、どんな脅し文句だ……」
思わず指先が固まるように止まってしまう。
「でも、進化したら戻れないのはある意味当然だよね。よし、使おう!」
しばし悩むがせっかくあるのに使わない手はないと、ユニット進化チケットを使用する。
ディガーの名前をタッチする。
スマホの画面が切り替わる。
『ディガー:ゴブリン
進化先
・ホブゴブリン
・ノーム
・ゴブリンファイター』
「おお、まさかの進化先が選べるパターンですかっ」
私はそんな事を呟きつつ悩む。
どこかに新しく出てきた進化先の説明がないか、スマホを隅々まで確認する。
どこにもない。
「これは、全く情報なしで選ばなきゃいけないのか……。よしっ。決めた!」
私は、スマホ画面をタッチした。
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