ベッドに横になってスマホを取り出すと、投稿アプリを開く。
「さて、エントオブノウレッジの動画のいいねはどうなったかな」
私はスマホの画面を見るが、最初、その内容がうまく頭に入ってこない。
「うん? あれ?」
投稿アプリの通知欄が、ものすごい数を表示している。
私がぼーと眺めている間にも、どんどん通知欄の数字が加算されて行く。
「え、なにこれ。もしかして、これって例のあれだったり?」
私は思わず一息貯めて、一生に一度言ってみたかった台詞をこっそり呟く。
「ちょっ。通知伸びすぎ。私、有名人じゃん?」
コメント欄も凄いことになっていた。
『連日投稿している訳だし、このレベルのCGを作るのは相当の技術と努力。そこは素直に認める』『いや、異世界でしょ』『あ、これダメなやつや。にょろにょろ系受け付けない』『投稿者はしっかりと説明すべき』『無言を貫く俺カッコいいとか思ってそう』『行きてー』『モフモフはまだ?』『いやいやエルフでしょ。断然エルフ』『みんな落ち着け。ドワーフこそ至高』『じゅるり』『絶対CGだろ』『まあまあ、解析班がでばっているみたいだし、それからでいいんじゃないかい。男とはロマンを求むものなのさ』
コメント欄上で、CG賛美派と、異世界信仰派、現実見ろ派が激しい舌戦を繰り広げている。ちなみにそれぞれの派閥の名前がコメント欄上で決まっていた。
「まあ、確かに異世界から投稿しているなんて、なかなか信じられるものじゃないよな。それでも前の投稿の時はほとんど居なかった異世界信仰派が増えてる気がする」
いいねの数が12,056もついている。
「レア確定プレミアムガチャが120回も回せるよっ!」
その時、アプリではなく、スマホ自体に通知が表示される。
私は満足するまでいいねの数を眺めた後に、その通知を開いてみる。
『いいね10,000件突破おめでとうございます。記念に、拡張機能が解放されます。いいねを消費し、アプリのアップデートが可能になりました。
ステータスアプリ 拡張
投稿アプリlv2 拡張
ガチャアプリlv1 拡張』
それぞれの拡張欄がタッチして開けるようになっている。
「え、なにこれ?! レベルとは別にそんな機能拡張があるってこと?」
私はとりあえずどんな拡張があるかそれぞれタッチして見る。
★ステータスアプリ 拡張
・項目追加1 7,000いいね
★投稿アプリlv2 拡張
・写真投稿枚数 +1 10,000いいね
・動画撮影時間 ×1.2 5,000いいね
★ガチャアプリlv1 拡張
・新ガチャ 開放 10,000いいね
スマホから目を話し、私はため息をつく。
「どれも、見る限りじゃあ、有効そうだけど、高すぎる! ほとんどいいねが無くなっちゃう」
私は拡張するかどうか、するなら、どの拡張にするか。悩みに悩んだ。
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