俺の音楽ここにあります

ギタリストのTS転生ストーリー
竹野こきのこ
竹野こきのこ

ひなとお話し

公開日時: 2021年2月15日(月) 00:01
文字数:1,726

 拓也とは仲良しグループの一人なのだけど、向こうから話しかけてくることがないのと、音楽の話題もほとんど関係がないからほとんど話していない。


「うん、居ないかな……」


 俺はとりあえずひなの話しに合わせた。


「まだ、拓也がすき?」

「そんな事はないよ!  今は音楽だけでいいかな」

「そっか、まーちゃんはひなが好きだもんね!  ジュンさんとかに目移りしてるかと思ってたよ……」


 ひなは嬉しそうに言った。

 拓也とのバックグランドが気になるところだけど、拓也の反応的に、告白とかはしたのかな?


「ひなは、どうなの? 」

 そう聞くと、ひなは少ししたを向いて俺の隣に座り黙った。


「ひな?  どうしたの?」

「……あたしはまーちゃんといたい」


 ひなは顔を上げて、

「今が幸せだよ?  まーちゃんの隣にいつもいれるし……」


 俺は、前から聞きたかったんだけど、勇気が無くて聞けなかった事を聞いた。


「ひなは、ドラムは好き?」

「好きだよ……上手く叩けると、まーちゃんが喜んでくれるし、一緒に音楽も作れるし」


 一緒に作れるが理由に入っていてちょっとホッとしたけど、やっぱり俺がドラムを好きな基準なのが気になった。


 ひなは軽く抱きつくと、俺の胸に頭を押し付けて言った。


「もう、どこにも行かないで……」

「ひな……どこにもいかないよ……だけど、音楽にも向き合って欲しい」


「音楽に向き合って?」

「今後は、3人で力を合わせて挑戦していかないといけない。ステージングで見せたような、ひなの力が必要なんだよ……」


「あたしの力が?」

「そう、わたしはひなが天才だと思う……」

「あたしが天才?  そんな事……」

「気づいてないかもだけど、それは間違いないと思うよ」


 ひなは抱きついたままの手に力を入れた。

「まーちゃんにはあたしが必要?」

「うん」

「まーちゃん大好き!」


 そう言ってひなに押し倒された。

 うすうす思ってたけど、結構ひなはヤバい子なんじゃないだろうか?


 でも嬉しそうな顔のひなが可愛いくて、いつものひなのシャンプーの香りが心地よかった。


「そうだ、ひな?  曲を作ってみない?」

「曲?  でもあたしドラムだし……」

「エレクトーンで作っでもいい、それを元にわたしがアレンジするから!」


「エレクトーンでいいなら、多分作れるとおもう……」

「決まり!  みんなで曲を作っていこうよ!」

「まーちゃんがアレンジするなら安心だね!」


 気づくと結構時間が経っていて、ひなは今日も泊まる事になった。


「あーっ!  もうこんな時間に……ちょっとお家に電話するね……」

 そう言ってひなは家に電話をかけた。


「…………うん、だから今日まーちゃんの家に泊まってくるね!」


 あれ?泊まるの?  今日お泊りの準備してないような……


「まーちゃん、今日着替え持ってきてないから借りてもいい?」

「うん、別にいいけど……?  制服とかは?」

「明日朝着替えにかえるよ!」


 その日は、ちょっと"マスたん"のメンテをしたかったので、ひなに先にお風呂に行ってもらうことにした。


 少し残念そうなひなを見送り、俺は"マスたん"のメンテをする。


 出来れば両方のギターを使いたいのだけど、運ぶのが大変だな……安いキャリーでも買おうかな……。


 俺は各部分の掃除と弦を交換したあたりでひなが戻ってきた。


 ひなは俺のTシャツと短パンを履いて、ベッドに寝転がった。



 俺も風呂から上がると、ひなは、例の本を読み、ベッドのそばに俺のブラが……あれ?  出したっけ?


「ひな?  ブラだした?」

「まーちゃんのキツくて……」


 ひな、何読んでんの?  というか下着も借りたのかよ!  まぁ、借りるか……借りるのか?


「キツイだと??」

 まぁ、でも、以前一緒に測った時はカップもアンダーも俺の方がワンサイズ小さかったしな……。


「まーちゃんが細すぎるんだよ!  5cmくらい身長差あるのにあたしより軽いでしょ?」

「軽いのかな?」

「まーちゃん細いよ!」


 そう言ってひなはいつものように抱きついた。


 その晩、俺はノーブラで抱きついて寝るひなが気になりあんまり寝れなかった。



 ♦︎



 次の日、制服に着替えるため、ひなは朝早くに一旦家に帰った。


 今日は作曲の事をかなにも相談して、合宿までにそれぞれ準備しようと思う。11曲も、印税問題も解決していいんじゃないかな?


 そう思っていた矢先、全然頭になかった問題が舞い込んできた。

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