スケジュールは……
6月の中旬まではCDの製作関係か……。
それにしても中旬からは毎週の様にライブと宣伝がある。
8月末の交渉中って何だろう?
この時期までに準備を完了させないとダメなのかも……ただ、中間テストがもうすぐに迫っていた。
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バンド練習ももちろんだけど、テスト勉強も大事!休みが開けると俺たちはかなの部屋で勉強会をする事にした。
「あれー? まーちゃん英語得意やった?」
「本当だ、結構出来てるね!」
これには理由がある。転生前、勉強で唯一続けていたのは歌詞の為の英語だからだ。
とはいえ、ジェノサイドとかデストロイとか単語にはかなり偏りはあるのだが、文法なんかはかなり得意だ。
歴史や物理物も好きだったから漫画や本は読んでいるのだけどあんまり使い物にはならなかった。
課題は数学か……日常殆ど使わなかったからなぁ。
それよりひながヤバい。
どちらかと言えば天才肌の優等生のルックスなのだけど……アホだ。
「ひな〜ほんまにヤバいで、脳の栄養全部胸に取られてんとちゃうか?」
まぁ、巨乳はアホというのが通説だからな。
俺はかなの胸を見る。
「うんうん……ちゃんと頭に栄養が……ってうるさいわ!」
「いや、まだ何も言ってないし!」
その点かなはびっくりするくらい勉強が出来た。キャラと全然合ってないんだけど大丈夫?
「あ、そこは公式つかうんやで! こういう言い方してたら大体この公式やから……」
しかも教えるのがうまい。
「かな、教えてばっかりだけどいいの?」
「教えるのって結構勉強になるで?」
なるほど……。
かなの部屋は和室で何処か落ち着く雰囲気だった。そうか、布団を敷いてるから寝相が……。
スタイルが良くて、ベースも勉強も出来る。
スポーツも大概こなして美人……かなって実は弱点ないんじゃないか?
「かなはモテそうだよね!」
「まーちゃんがそれ言うか? もう気にしてないんやったらいいんやけど……」
どういう事なんだ? めちゃめちゃ気になる。
すっとぼけて聞いてみようか。
「なんの話?」
「いやいや、うちがぶり返すのもあれやけど……拓也の事、もう気にしてないん?」
拓也? 時々出るけどかなと関係が?
「そんなんもう、気にしてないし」
「ほんまに? よかった〜」
「ね? まーちゃんはもう気にしてないでしょ?」
ちょっとずつ探りを入れた内容をまとめると、まひるちゃんが告白した後に拓也はかなに告白したらしい。
その時の拓也の言葉か行動にかながブチキレて拓也が……重傷? この辺り盛ってるよな?
事件みたいになってクラス中にバレた……
いやいやかなめちゃくちゃいい奴じゃん。
まぁでも気まずい感じにはなるのか。
正直、拓也も状況を変えたくて出た行動だっただろうに、かわいそうだな。
中学生の感性なら大分大ごとだよな。
ほとぼりが冷めて雅人と仲がいいから同じグループにいる感じか……。
どおりで日記ではあんなに仲の良かった拓也が無口でほとんど一緒に行動しないキャラなわけだ。
かなはずっと気にしていたんだな……。
というか、ひなには相談してたのか。きっとこの二人も俺が見てる感じより仲がいいんだろうな。
友達か……この世界の俺も仲良くやってんだろうけど。今の俺はこの二人とこうやって過ごしてるのが好きだな。
「かな、気にさせてごめんね?」
「なんやまーちゃん、代わりに彼氏になってくれるん? ひな、悪いけどいちゃこらするから外してくれるか?」
「そんなのダメだし!」
「でも、ひなもかなの事大好きだよね?」
「う、うん……でも、言いたくないよね? キャラ的に……」
「そうかそうか」
かなは仏の様な笑顔をうかべた。
俺たちはそれから勉強、練習、レコーディングと3人で仲良く忙しい日々を過ごして中間テストの本番が終わった。
出来栄えは上々、勉強の成果は出ているはず、こうしてテストの結果が出る日を迎えることになった。
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