相手が動かなくなるまで叩き続ける。
10発ほど叩いたところで、相手の反応が無くなる。
私はため息をついてから、
「まったく、人の部屋に侵入するなんて、何を考えているのかしら?」
私は呆れて物も言えなかった。
「それにしても、随分若いみたいだけど、どこのどいつか知らないけど、
私達の大切な人に手を出そうとしたんだから、それなりの報いを受けても 文句は言えないわよね」
私は倒れ伏している女に視線を向ける。
「でも、このままだと死んじゃうかもね」
私は呟く。
「まあ、別に死んでもいいんだけど、私達の屋敷に侵入した罰としては軽いかも」
私はそう言ってから、何かないか探すと、丁度良いものがあった。
それは私の魔力で出来た鎖で繋がれており、その先には大きな鉄球がついているのだ。
私はその鎖を持ってきて倒れたまま動かない黒ドレスの女性を引っ張り起こそうとすると、
女性の体が光だし粒子状になり始めたと思った次の瞬間には跡形もなく消えたのである。
これには流石に驚いたが冷静さを保とうとするがやはり無理であったようで思わず叫んでしまう。
私は急いで窓を開けて外を見るのだが誰もいない事に更に焦ってしまう。
まさかさっきの出来事は全て夢だったのではとさえ思えてくる始末だ。
ただ一つ確かな事がある。
それはあの黒ドレスの女性が何者かわからない事だが今は考えても仕方がない。
私は窓から離れてリティルさんの部屋に行き、中に入ってみると、
先程の騒ぎがあったにも関わらずにリティルさんはぐっすりと眠っていて安心してしまう。
ベッドに近づいて様子を確認してみる。
よく眠っている。本当に良かった。
それから私は先程あった出来事を振り返ってみる事にした。
まず、私の予想ではさっきの女性はおそらく精霊だろう。
でも、何故こんな所に居るのかが問題なのだ。
考えられる理由としては、最近噂になっている例の事件だろうか。
もしそうなのであれば、早く対処しないと大変かもしれない。
でも、確証が無い以上は下手に動けない。
なので、今日のところは大人しくする事にして、明日の朝になってから考えましょう。
それから、私はお部屋に戻る前にもう一度だけお父様とお母様の寝室を訪れて、
お二人の様子を伺ってみた。
お二人共とても幸せそうなお顔をされていたので、私も嬉しかった。
それから部屋に戻った私は今日一日の事を振り返る。
色々あって疲れたので早めに就寝しようと思う。
翌朝、私はいつもより早起きして身支度を整えて、お父様とお母様の寝室に向かうと、
お二人ともまだ寝ていらっしゃるようです。
お二人を起こすわけにもいかないので、静かに部屋を出て朝食の準備に取り掛かる。
準備を終えて、一息ついた頃にお父様とお母様が起きてきました。
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