「陽斗クン♪勿論君もなれますよ!デーモンハンターに!興味出てきちゃいましたぁ?
(笑」
「テメッ…!まさかそのつもりで陽斗を…!!」
「―はぃ?何のことです??私は一言も誘っていませんよこちらの世界に。。
ただ“こういう世界がある”ってとこを見てもらっただけです!お義父さんがルシファーにやられたんですから、
知る権利はありますよ陽斗クンにだって♪百聞は一見に如かずー。説明よりも見た方が早いでしょう!」
「だからその為に全部見せたんだろ陽斗に!!」
「はて??」
「テんメぇ…この野郎ッッ…!!」
ドスッ!!
「―⁉⁉いってぇ!!」
「光うるさい。」
陽斗が思いっきり俺の足を踏んできた。
「理事長。僕もソウルアカデミーに入学したいです!」
「おい!本気か陽斗!」
「当り前だよ。僕にもなれるならなるよ…デーモンハンターに!」
「決まりですね♪陽斗クンの手続きはこちらでしておきましょう!」
「ありがとうございます!」
「勝手に話進めんなって…!!」
俺が止めようとすると陽斗が真っすぐ俺を見てきた。
「光。僕もお義父さんを殺したルシファーを許せない。それにこの人間界にいる悪いデーモン達も。
こんなことを知って、普通に生きていくなんて僕には無理だし、君だけが悩まなくていい。僕も力になりたい。
それに、僕が一緒にデーモンハンターになれば色々都合が良くて助かるのは光だと思うけど。」
「え??」
「さすが陽斗クン。やはり光クンとは頭の出来が違いますね♪」
「お前ちょいちょい俺を馬鹿にするよな…」
「そんなことはしません!事実を言っているだけです♪」
ムカッ!!!!!!!!!!!
決めた!!!!!!!!!!
ルシファーの前にコイツを葬る!!!!!!!!!!!
俺がプンスカプンスカ怒っていると…
「…実際そうだよ光。君がルシファーの息子なんてバレたらとんでもない事になるし、
光一人じゃ喧嘩っ早くてすぐトラブルになるからすぐ正体バレるよ。」
「なっ…お前までも陽斗…」
「光の事も、言えない“秘密”の事も、両方知ってる僕が一番光の監視役にピッタリじゃない?光一人で絶対バレないようにうまく学校生活送れる??」
「―ッ!…そう言われると……。」
「君一人では絶対無理♪それじゃ頼みますね陽斗クン!!」
「はい!」
「・・・・・・。」
こうして、陽斗も俺と一緒にデーモンハンターになるべくソウルアカデミーに通うことになった。
めでたしめでたし。
【私もその方がいいと思うわ♪】
「お前もかよ!」
ダメ押しのリリスの一言。。
一体俺はどこまで信用されていないのだろう。。。
「ちくしょーー!先が思いやられるぜ…全く!」
「「「それはこっちのセリフ♪!!」」
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~~一週間後~~
やっと“普通の”聖霊専門高等学校の入学式が始まったー。
「すっげー人だなぁ…」
有名校だけあって生徒数がめちゃくちゃ多い。
つか、ソウルアカデミークラスっていつ授業みたいなことするんだ…??
アカデミーの入学式が終わって、陽斗もデーモンハンターになることが決まった後、
アゼルに急用が入ったらしく俺達はあの後すぐに帰ったー。
「ホントに、、誰もちゃんと肝心なとこ話さないよな。ジジイもアゼルも。さすが友達同士。」
退屈な入学式。
俺はボケ~っとしながら一人呟いていた。
こんなに人がいるのに、デーモンハンターになるやつは十数人だったよな…。
他の奴らにも視えてんのかな“これ”。
あれ以来俺は当たり前のようにデーモンが視えている。
そこらじゅうにいるのだが、分かってきたのは特に害は無いって事。
フワフワ小さいのが飛んでたり、人に憑いたりと色々いるけどどれも心配ない。
最初に俺を襲ってきたアイツみたいなのとは魔力の強さが全然違う。
よくよく考えると妙な世界に足を突っ込んだなぁ~俺。
……ふぁ~あ…………ねっむ。。。
「………………!!」
そういや居るんじゃねぇか?“アイツ”!!
俺に口止め料払うって説得してきやがったもんな!
【いるわよ。あそこに。】
俺の心の声を聞き取ったリリスがアイツがいる方を指さした。
【…うわ。やっぱりいるじゃん…大丈夫なの?アイツ。】
【デーモンっていうのは人間の弱さに憑りつくの。“負”だったり“ネガティブ”だったり“闇”だったりね。
アイツもそこそヤバい奴に憑依されてたけど、お義父さんが祓ってくれたからもう大丈夫よ。
憑依されていた時の記憶すらないでしょうね。】
【はぁ~ん。そいういもんなのか。いきなり襲ってきて覚えてませんなんてやるせないなこっちも。】
【覚えてたらどうしたのよ。】
【んなもん決まってんだろ。一発ぶん殴らねぇと!!】
【あなた確か殴ったわよね。陽斗の事悪く言われて。】
【それはまだギリアイツが正気を保って人間でいた分だろ?
完全に憑依されてから襲ってきた分の借りがあんだよ。】
【…デーモンのアイツにビビってたくせによく言うわよ。】
【…!!うっ…うるせぇ…!!何も知らずいきなりあんなの現れたらビビるだろうがっ…!!】
【はいはい。……それにしても……。】
【どうした?】
【これからどうしようかしら…。】
【?】
【私はルシファーに恨みを返す為に転生までしたのに、結局この間アイツを倒せなかった。
まぁ、私も光が覚醒するまでずっと眠っていたし、お義父さんに憑依してくるとも思わなかったわ。】
【まぁお前が目覚めていきなりアイツ倒したら、始めたばっかのRPGで最初にラスボス倒して終わりだったな。】
【何その例え。そもそもそんな簡単に倒せる奴じゃないわよ。。それに、問題はそこだけじゃないわ。】
【他は?】
【まず魔力ね。完全に戻るまで時間かかりそうだわ。】
【お前まだ本気じゃないってことか!アレで。】
【舐めないでくれる?私これでも物魔界でトップクラスの魔力誇ってるの。あんなもんじゃないわ。】
【はっ~…すっげーな。】
【やっぱり人間界にいるせいかしら…力が出しにくいわ。まぁそこは慣れね。重要なのは“門(ゲート)”よ。】
【ゲート?】
【物魔界と人間界を行き来するには時空のゲートを開かないといけないの。】
【何処にあるんだそれ。】
【場所じゃないわ。“魔道(まどう)”よ。】
【まーた訳の分からん事が一気にでてきたな…】
【魔道は私達やデーモンが使う術よ。魔法、魔術、呪術、妖力、妖術…。物魔界には相当数の種族がいるの。
だから能力や術も多岐にわたるけど、それを一つの総称として魔道と呼んでいるわ。】
【って事はつまり……そのゲートを開く術みたいなのを使うって事か。】
【ええ。】
【じゃー早く使えよリリス。」】
【あのね…使えたら何も問題じゃないの。私は出来ないわ。】
【は⁉そうなの⁉だってお前トップクラスって自分で言ったじゃん。】
【ゲートを開く“時空間魔道”を使えるのは広い物魔界でもほんの一握りー。
それも、人間界と自由に行き来するレベルなんて数え切れるほどじゃないかしら?
しかもすでにその魔道を持った奴らは何人かはルシファーの傘下よ。】
【あーあ…。だからアイツこっち来たのか。】
【いいえ。ルシファーはそんなの自分で出来るわ。】
【ん…?じゃーなんでわざわざ傘下に?】
【時空間魔道の持ち主は物魔界でも貴重なの。だからルシファーは自分の傘下に加えているの。】
【欲張りだなアイツ。】
【ルシファー自身が人間界を手に入れたいから、他の種族が邪魔しないようにってのも理由にあるけどね。
ある意味人間界にとってはそれが無駄な被害を生まずに済んでるわ。
ルシファーの傘下にいず自由に行き来してたら少なからずダメージを受けるのは人間よ。】
【…複雑なもんだ。】
【とにかく。私の魔力を取り戻しつつ、何とかゲートを開ける奴を探さなきゃ。
きっとデーモンハンターの中にもいるんじゃないかしら?望みは薄いけど。】
【じゃあ…そいつ探してみるか!】
【そうね。いれば儲けもんだわ。一つラッキーなのは、光がルシファーの憑依を拒んでいる事ね。
まさか奴も光に拒絶され、その上その光の中に私がいると分かったんだから。
迂闊に体を乗っ取りになんて来られないわよ。】
【そっか。ならお互い様だな。】
そんなこんなで入学式終了ーー。
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