ソウルアカデミーとか言われる所には俺以外にも何人かいた。
ざっと15、6人はいるか…?
「―集まっていますね新入生の皆さん♪
初めまして!私はアゼル・アバドン!!聖霊専門高等学校の理事長であり、『惡霊魂界(デーモンソウルかい)』のデーモンハンター協会の責任者であります!宜しく♪」
俺達をすぐ近くの席に座らせるなりすぐさまアゼルは入学式の挨拶?みたいなのを始めた。
「私からは以上です!皆さんが優秀なデーモンハンターになることを心待ちにしております♪では!!」
かと思いきや終わった。.
―パチンッ!!
ブワァン!!
アゼルが指を鳴らすとまた聖霊専門高等学校の校舎内に景色が戻った。
「どうでした入学式♪」
「一瞬過ぎて訳分かんねぇよ!」
「私ダラダラ喋るの嫌いなんですよ!」
「いつも四六時中喋ってるじゃねぇか。」
「世間話と業務は違いますから。…にしても、今年も新入生がたくさんいましたね!!
光クン!君も同級生にも会えて良かったですね!」
「だから一瞬過ぎて……ってもういいや。それよりも、その“同級生”達なんだけどよ!」
「…なんでしょう?」
「あいつら何なんだよ!何であんなにいるんだ人が!」
「何でって君ホントに面白いこと聞きますね。普通の人間ですよ!あなたと同い年の♪
そりゃ今日が入学式だから人がいるんですよ!」
「そうじゃねぇ!そもそデーモンハンターって学校があんのかよ!
…じゃあ、あいつらもデーモンハンターになろうとしてんのか?つか視えてんのか?」
「ハァ……君は色々と驚き尽くしですねぇ~…。いいですか?…
そもそも!君が今まで何も知らなかっただけでデーモンハンターもソウルアカデミーも何百年と存在している
“当たり前”のものなんです♪知る人ぞ知る…ってとこがミソですけど。
だから何も珍しいことはないんです!君が知らないだけ!それ以上もそれ以下もなし!ハイ!この話終わり♪」
「…なっ⁉」
確かにコイツの言う通り。。
俺だけじゃないんだそもそも。
「君……なんか自分だけが特別だと思っています??」
「……!」
「君だけじゃないんですよ。デーモンに大切な人を奪われたのは。他にも人それぞれ。
言いましたよね。これはずっと昔から続いている当たり前の事なんですよ。
君達のお義父さんもまたね。」
「ジジイが…」
「皆それぞれの思いを抱えてデーモンハンターになろうとここへきている。
君だけが特別じゃない。まぁそういう意味ではルシファーの子供という唯一無二の“特別”ですがね♪君は。」
「アイツの子なんて関係ねぇしそんなの特別じゃねぇ!」
「それですよ光クン!
君はそう思っても事実は事実。周りから見たら特別そのもの。デーモンを倒したいと思っている人達が集まる場所ですここは。
最終的にルシファーと物魔界が消えれば、デーモンによって悲しい思いをする人は間違いなく減るでしょう!
長きにわたり戦ってきたデーモンハンター…人間界の最強の切り札なんですよ君は!!
ルシファーを倒せば全てが終わる♪君の目的は人間界の長年の夢でもある!と同時に、ルシファーにとっては脅威。
君をあらゆる手段で殺しにくるでしょうね♪
そしてデーモンハンター達もまた叱り。。デーモンハンターになる人達は言わばデーモンを恨んでいます。
当然でしょうね。何かしら酷い目に遭ったり失ったりしているんですから。
その恨みの親玉の子なんて、あなたいつ誰に八つ当たりされても可笑しくないですよ。フハハ♪」
「笑い事じゃねぇだろそれ。大丈夫か俺ここにいて。」
「君の正体がバレたらそりゃ前代未聞ですよ♪物魔界の連中には覚醒で存在が知れ渡っていますけど。
この人間界ではまだバレていませんから!大丈夫!まぁこれから君は嫌でも狙われまくり!
誰が敵か味方も分からない。そんな世界で簡単にやられない為にも、君もここで強くなりなさい!光クン。
……大切なものを失わないように♪」
アゼルの言葉は妙に説得力があった。
確かに。。俺は何も知らなかった。。こんな世界があったことを。。
「………………話に入って申し訳ないんだけど……」
これまでずっと黙っていた陽斗が口を開いた。
「どうしました陽斗クン♪?」
「さっきのソウルアカデミーってところにいた子達は、僕と同じ普通の高校生なんだよね…?」
「そうですよ!何でもない普通の人間です。ただ唯一違うのは、“デーモンの存在”を信じているかいないか…ってとこでしょうね♪」
「じゃあさっきの子達は僕と同じように視えたりするの?」
「もちろん!デーモンが視えるのもまた君だけではありません陽斗クン。
まだまだ全員これからですが、陽斗クンと同じぐらいの感知やそれ以上に感知したり視えてる子もいますよ♪
それをここで訓練し、優秀なデーモンハンターになってもらう為の場所ですからね!」
「………って事はさ……」
「……ん?」
陽斗は決意を固めたのかこう言ったーー。
「……僕もなれるよね。…その、デーモンハンターに!」
「は⁉⁉…陽斗何言ってんっ……」
「勿論♪」
遮るように入ってきたアゼル。
待ってましたと言わんばかりに、陽斗の言葉を聞いたアゼルは笑みを浮かべていた。
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