アゼルの異空間に来て三時間ーー。
俺はずっとデーモンと戦いっぱなしーー。
「…ハァ…ハァ…ハァ……。」
さすがにちょっとしんどくなってきた。。
「「ヴォォォォッ!!」」
それでも容赦なくデーモン達は襲い掛かって来るー。
ーザシュ!!
―シュバッ!!
「……今ので“四百体”倒しましたね。そろそろ休憩させてもいいんじゃないですか?」
アゼルはお茶を飲みながら見ていた。
「そうね…。いくら“下級クラス”でもこれだけ戦ったらまぁ上出来ね。まだまだこんなのでバテてもらっちゃ困るけど。」
「魔女帝厳しいですねぇ♪」
「…光!とりあえず今いるデーモン片づけたら休憩よ!」
「やっとか…。」
俺は力を振り絞って残りカスを片付けた。
「ハァ…ハァ…ハァ………しんど。」
疲れすぎてその場に座り込んだ。
「まぁ悪くないわ。スタミナもまだまだ必要だけどやっぱ“剣術”ね。。」
「ハァ…ハァ…刀なんて使った事ねぇんだよ……ハァ…ここまで……戦えてただけで十分だろ……」
「光。あなたの力が一番伝わってるのがその刀なの。だったらその刀を使う他ないわ。」
「…あ?…ハァ……そもそも、デーモンハンターの人達って絶対武器使うのか…?」
「そんなことはありませんよ♪人間は基本的に魂力を使いますからね!その魂力を武器に伝わせて戦う人もいれば、清影クンのように体に何かしらの変化加えて戦う人もいますから。」
「だったら俺も刀より殴る方が慣れてるんだけど。」
「そういえばあなた魂力使えるの?光。」
「それは俺もずっと気になってた。。今だって戦っていたのは魔力だろ?何か気付いたら出てたし。」
「そうですね~。デーモンと人間のハーフなんて聞いたことありませんけど、もしかしたら使えるかもしれませんね♪」
「試す価値しかないわね。」
「おい!もう少し休ませろ!」
「休んでる暇なんてないのよ。」
「まぁまぁ(笑。“この時空間”なら多少は平気ですよ!それよりも、光クン!君の剣術の為に私が助っ人を読んでおきました!」
「助っ人…?」
「はい!それも超強力な♪ついでに魂力の使い方も習うといいですよ!出来れば儲けものでしょう。」
「マジでこの刀使うのかよ…。」
「相性いいんだから使いなさい。勿体ないわよ。」
「分かったよ!これでルシファー倒せるんだろうな?」
「それは光次第ね。でも、得意の喧嘩スタイルよりもその刀使った時が一番魔力高いわよあなた。」
「え?そうなの?」
「自分でも気付いていないみたいねやっぱり。それに、別に喧嘩するななんて言ってないわよ私。」
「…!!」
「今は特訓の為に禁止って言っただけ。実際ルシファーを目の前にしてぶん殴って抹殺出来るのならそれで全く問題ないわ。結果が全て。」
「やっぱデタラメだなお前。。」
「何がよ。斬るなり殴るなり好きな方でいいのよそんなものは。最終的にルシファーを消せばそれでね。」
「はいはい…。」
「私はあなたがルシファーと戦ってる間に“一仕事”あるからそっちを先に片づけるわ。」
「“一仕事”ってまさか抹殺リストに載った女二人……。」
「あなたはそんな事気にしなくていいのよ♪ルシファーを抹殺することだけ考えてね♪」
「………。」
そんな会話をしていると突如時空の歪みが現れ、そこから人が出てきたーー。
ブワンッーー。
「…!来ましたね♪」
「嫌な時空間だな…。」
そこに現れたのは六番組組長、扇風之介。
「…扇組長!」
「あら。助っ人ってこの人だったのね。これは期待できそう。」
「よく来てくれましたね扇組長!ありがとうございます!♪」
「やめて下さいよ。あなたの頼みなので断れないでしょ。」
「いい部下を持ちましたね私も♪」
「扇組長!」
俺は走って扇組長の近くに行ったー。
「何でこんなとこにいるんですか?」
「ん?アゼルさんに頼まれたんだよ。お前の修行とやらに。」
「え!扇組長がですか⁉⁉」
「まさに今回にうってつけですよ!何せ扇組長は“全組長の中で一番”強いですから♪」
「マジで⁉強いとは思ってたけど一番なの⁉」
「ええ!そうですよ!ラッキーですね光クン。他のデーモンハンター達も彼に憧れている子が多い!その扇組長直々に修行つけてもらえるんですから♪しっかりみっちり鍛えてもらいなさい♪」
辺りを少し見渡しながら扇組長が言った。
「それにしても…。“ここ”相当居心地悪いな。早く帰った方が良さそうだ。」
「フフフフッ♪さすがですね(笑。私もそれをオススメしますよ♪」
「どういうこと…??」
今の扇組長とアゼルの会話が理解できない。
「なんだお前。気付いてないのか。まさかこんな初歩から教えるとはな。」
「ん??」
「ルシファーの魔力ってのもその程度か?」
「…!扇組長知ってるんですか⁉」
「まぁな…。お前が入る前にアゼルさんから聞いていた。だが、例え聞いていなかったとしてもお前の魔力で会った時にすぐに分かった。なぜ“魔女帝”までいるかは分からんがな。」
「あら。やっぱ気付いていたのね♪それなのに気付かないフリなんて人が悪いわお兄さん♪」
「どっちみちさっきのルシファーとのいざこざで全部バレただろ。」
「そうだ!陽斗達は…⁉またあっちにデーモン来てないよな⁉⁉大丈夫なんだろうな⁉」
ここにきてから早くも数時間が経っていたー。
いつまたデーモンが現れてもおかしくない…!!
俺の心配をよそに、全然思っていたのと違う反応が扇組長から返ってきた。
「ああ。全然大丈夫だぞ。お前が他の奴らに真実話してこの時空間まで飛んだ瞬間から“まだ一分も経ってない”からな。」
「……………はぃ………???」
扇組長が何を言っているのかさっぱり理解できない。。
「教えてもないのか?」
扇組長はアゼルとリリスの方を見ながら言った。
「そういえばまだ“その話”はしていなかったですね(笑!」
「それ重要なの?」
「おい。どういう意味だよ?」
「いいですか光クン!ここの時空間は私とリリスさんの“融合魔道”によって創られた超スペシャルな時空間なのです♪」
「……それが?」
「分かりやすく言うと、人間界の時間の流れとここの時間の流れは“ちょっと”違います!」
「時間の流れ……?時差があるって事か??」
「そう!時差みたいなものですよ!」
「どのくらいなんだよ?」
「え~~ざっと…そうですねぇ。。人間界の一日がこっちの“三年”ですね!はい♪」
「………は??」
それ時差って言葉じゃ済まないだろ。。
「いいか?橘光。つまり、単純計算で一日が三年。
こっちのおよそ45~6日が人間界での一時間だ。
もっと細かくすりゃこっちの八時間が人間界の一分。」
…………ダメだ。算数も苦手だしもう話がややこしくて無理。。
「バカが。勉強できないのかお前。。まぁいいバカなお前でも一発で分かるように説明してやる。
…お前ドラゴ〇ボール読んだことあるか?」
「もちろん!勉強嫌いな俺は漫画が友達でしたから!」
「さすが典型的なバカだな。要はここが“精神と時の部〇”って事だ。」
「!!!」
俺は全てを理解したーー。
ルシファー抹殺まで・・・・・6。
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