「直ちに殿下に報告!」
隊長が怒鳴るように声を出すとカプセルの中ががそれに反応するように光りだす。
「何だ」
ワズルがカプセルから距離を取る。
台座のあちこちに赤や緑の小さな点滅が現れる。
ケーブルからちりちりと静電気が走る。
ブブブブブブという振動に続いてバシュンと空気の抜けるような音がした。
「あ」
記録用のカメラをカプセルに向けていた隊員から声がこぼれる。
カプセルの中が白い霧のようなものでいっぱいになる。
「くそ!」
伝令のために部屋を出ていこうとしていた副隊長がライフル銃を白く濁ったケースに向ける。遅れて他の者も距離を取って警戒態勢に入る。
ヘルメットの前で構えた銃身の先でカプセルの蓋がガコと音をたてて僅かにずれる。シーという静かな作動音と共に滑らかに透明ケースが開いていく。ケースは垂直を過ぎた辺りでピタリと止まる。充満していた白い霧がもやもやとカプセルの外に漏れている。
「何をやる気だ 」
隊長の呟きに気付いたかのようにして、靄の中で影が蠢く。
「ふーっ、ふーっ」
精鋭中の精鋭の猛者達が恐怖の極限に立っている。
やがてカプセルの中に入っていた少女の顔や裸の上半身が見えてくる。半身を起こした格好でいる。
「んんんん 」
少女が室内の眩しさに顔をしかめて目を擦っている。そして次第に周りが見えるようになっていく。
「え 」
霧のようなものは既に少女の回りから消えている。
「ひっ 」
膝を横に折って上体を起こして手で支えている。全く裸だった。少し捻った脇肉が皺を作っていた。
「きゃあああっ ‼️」
膝をたたんで胸に付ける。片手で膝を抱え、もう片手で踵と尻の隙間を隠す。
「わああああん ‼️」
ゆんゆんは盛大に泣き出した。
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