「…なんで、そのことを…」
そのことを知ってるのはアイツと、俺だけ。
他に知るやつなんていないはずだ。
それを「言葉」にしたことはないのだから。
「真剣勝負や。あんたが負けたら、住む場所と食べるもんを用意せぇ」
…へ?
住む…場所?
食べるもの?
何言ってんだこいつ。
「甲子園に行くんやろ?せやったら、こんなところで私に負けるわけない」
…いやいやいや、待て待て
一旦区切らせてもらってもいいか?
なんで知ってるんだよ?
大体、勝負ってなんだ?
勝手に話を進めんな!
「何者や、お前」
女は答えなかった。
勝負するのか、しないのか、単純な質問をぶつけてくるだけで。
…言っておくが、女に負けるほどヤワじゃない。
ましては、勝負が野球とあっちゃ、尚更だ。
こう見えても、小学校から6年間も野球をやってるんだ。
本業はピッチャーだが、結果は目に見えてる。
「そうやって油断しとると、痛い目見るで?」
やけに自信満々だ。
野球やってんのか?
素朴な疑問が湧いた。
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