あーでもないこーでもないと言いながら、阪神高速線の下を潜った。
結局学校に着いたのは8時前だった。
30分の遅刻だ。
練習はまだやってたけど、あと15分もすれば終わる。
朝のホームルームが8時半からだから、大体10分前には着替えて部室を出なきゃいけない。
先輩達が俺のことを睨んだ。
つっても、優しい人たちばかりだけど。
「おっそいわ!なにしとったんや」
「すいません。全部千冬が悪いんです」
「はあ!?私のせいちゃうやろ!」
「お前のせいやろ」
「どこがらへんがや?説明してみぃ」
「まあまあ2人とも」
喧嘩を宥めてくれるのは、ぽっちゃりデブの門田先輩。
パーマがかかった頭に、太い二の腕。
ふっくらしたほっぺたが、なんともチャーミングなムードメーカーだ。
ちなみに俺を叱ってきた先輩は、赤松先輩。
通称アッキー。
イガグリ頭に太い眉毛。
程よいつり目が、人相を悪くしてる。
目つきが悪いってよく言われてる。
しょっちゅう怒鳴ってるし、口が悪いし。
「赤松さんならわかってくれるでしょ?」
「何がや?」
「千冬のズボラ加減」
「…うーん」
ケツを蹴ってくる千冬。
俺はほんとのこと言ってるだけなんだけど?
財布取ってすぐに向かえば、こんなに遅くはならなかった。
違うか?
「まーた喧嘩しとんかお前ら」
金属バットを肩に担いで、左手に脱いだ手袋を持っている。
バッティングゲージからスタスタと出てきたのは、津嶋先輩。
チームのキャプテンだ。
「違うんですよ!こいつが悪くて」
「また亮平か」
「またってなんですかまたって」
「最近寝坊しすぎやろ」
「今日はしてないですよ!」
「ほんならなんで遅刻したん?」
「財布忘れたんです」
「財布ぅ!?」
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