「そんなこと言わずに頼んます!」
「いや、無理があるやろ」
「ケチやなぁ」
「…ケチの意味わかっとる?」
そのあとも言い争いが続いたが、女はうまく躱してばかりで、会話にならなかった。
おかんと意気投合してるせいで、夕食も美味しそうに頂いてやがるし…
結局夜を迎えて、2階の空き部屋を貸してあげることに。
「ごゆっくり」とおかんは微笑みながら俺たちのことを見ていたが、敷布団を敷いて部屋を出ていくがてら、俺の部屋に来て、「あんた、手ぇ出したら承知せんで!」と言って去っていった。
…誰が手ェ出すかよ
こんな女に騙されやがって
女は得意げな顔を浮かべて、「じゃ、おやすみ」と言いながら部屋に入っていった。
…どいつもコイツも
夏樹は夏樹で、「お姉ちゃん」と呼びながら夜遅くまで話し込んでた。
わかった。
俺の血筋は全員バカなんだな
そう思いながら、眠りについた。
明日は休みだから、アラームは消しておこう。
起きたら岡っちに連絡しよう。
大ちゃんでもいいな。
他の奴らに頼らないと、この状況を打破できそうもない。
…ってか、まだ名前すら知らないんだが…
そんなことってある!?
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