亮平はいつもヤンチャなやつだった。
ヤンチャというかバカ?
勉強はできないし野球にしか興味がない。
昔はただの泣き虫だった。
泣き虫で頼りなくて引きこもり。
とにかく隠キャの塊みたいなやつだったんだ。
それがいつの間にか大きくなった。
ずっと私の後ろを歩いてたくせに、いつの間にか前を歩くようになってさ?
図体だけだけど。
立派なのは。
学校に着いたのは7時15分。
朝練はいつも15分から始まってる。
つまりギリギリ。
置くもの置いてすぐに着替えた。
おはよう希美。
悪いけど窓閉めてくんない?
寒いんだよね、最近。
「今日もギリギリやね」
「誰かさんのせいでな」
「最近亮平っちおかしくない?」
「あんたもそう思う?」
「うん。練習もなんかだるそうにしてるしさぁ」
そうなんだよ。
あ、ってかやべ、カーディガン持ってくればよかった。
ウィンドブレーカーはあるけどこれじゃ授業に出れない。
仕方ない。
我慢するか。
んで、そうそう、亮平な?
おかしいんだよ色々と。
希美からも言ってやってよ。
この際喧嘩腰でもいいから。
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