無事に合格できたのは良いが、この学校に「野球部」なるものは存在していなかった。
…まあ、当たり前だが。
代わりにといってはなんだが、女子ソフトボール部は存在していた。
グラウンドは小さいが、一応野球ができるスペースくらいはある。
本当に申し訳ない程度に。
共学になるっていうことで、続々と新しい部活が去年から立ち上がっているのだが、「硬式野球部」を創設したのも、その流れに乗った幼馴染がいたからだ。
名前は榊原大介。
通称大ちゃん。
明石東中の4番で、中学時代には対戦したこともある。
俺と同じで色んな高校から推薦を受けていたが、なぜかこの学校を選んでいた。
理由は、中学時代の怪我が原因だ。
大ちゃんは元々ピッチャーだった。
でも、中3の春に肘を痛めて、やむなく一塁手に転向していた。
今でも野球は好きらしい。
俺と同じで、遊びでやるのがちょうどいいって感じで。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!