化学の授業では、一之瀬さんやコウ以外の人たちとも交流した。
俺からは話しかけてない。
できれば千冬の近くに座りたかったが、他の女子たちに占領されてしまった。
人気なんだな…
それで仕方なく後ろの方に座ったんだが、まあ話しかけてくる話しかけてくる。
俺は相手の名前も知らないのに、どんなふうに受け答えすればいいのか本当に悩んだ。
コウは相変わらずだし、一之瀬さんは遠くに行っちゃってるし。
全員に説明するのもめんどくさすぎる。
だからどうしても、無愛想な対応になってしまった。
無愛想すぎて怒られるかと思ったが、案外そんなことはなかった。
これは“体調不良”という設定のおかげだろう。
マスク持ってきてよかったって改めて思った。
「大丈夫?」という声があちこちから飛んでくるのも、ノートを代わりに取ってくれたりするのも。
俺がいるこのクラスは、色んな人たちがいる。
そりゃ当たり前だろって話だが、なんか新鮮だった。
さすがに名前はまだ全然覚えられない。
見渡す限り、ざっと30人はいる。
それを1日で覚え切るなんて無理だ。
でも、特徴的だなって思えるのが何人もいた。
友達に似てるなって人も、気が合いそうだなって人も。
意外と無事に2限目も終わって、休憩時間に入った。
チャイムの音は、須磨高もここも大して変わらない。
強いて言うなら、ちょっとテンポが速いかな?
3限目は公文らしいが、さて、どうすっかなー
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