「…あのさ、大坂楓って子、知っとる?」
恐る恐る、尋ねた。
でも期待はしていなかった。
なんでかって言ったら、アイツが寝泊まりしてた部屋が、なんの痕跡もなく元通りになってたからだ。
ゴージャスな敷布団まで用意して至れり尽くせりの感じだったのに、気配すら残ってなくて。
ここが違う世界だと考えれば筋は通る。
だけど、その場合、2人はアイツのことを知らないんじゃないか?
ただの勘だが、そんな気がした。
「大坂…?」
ほら、やっぱり。
おかんも夏樹も顔を合わせて、誰?と聞いてくる。
知らないんなら別にいい。
正味、知ったところでって感じだ。
めんどくさいとかそういうことじゃなく、単純な話。
でも、じゃあどこに行ってるんだよって話なんだが…?
連絡先もわからないから、探すアテもない。
アイツの家は、…確か誰も住んでなかった。
今は大阪に住んでるって言ってたが、住所も何もわからないから、探しようがないしなぁ。
…うーん
「学校の子?」
「いや」
アイツのことはよく知らないんだ。
出会ってまだ間もないし、なに考えてんのかもよくわからんし。
とりあえず超能力が使えて、未来からやってきてて…
「友達?」
「ちゃう」
友達ではない。
そこだけははっきりしておこう。
アイツのせいで肩身の狭い思いをしてるんだ。
最近は朝が早いせいで寝不足気味になってる。
それだけじゃない。
チームはかき乱されるわ、平和な学校生活が脅かされるわ。
君たちがポンコツのせいで、散々な思いをしてるんだ。
わかってる?
見知らぬ人間を家の中に入れるな。
これ、鉄則な?
ましてや、部屋を貸し出すなんてもってのほかだ。
そこらへんをちゃんとしたほうがいい。
じゃないと、いつか犯罪に巻き込まれるぞ?
絶賛迷惑してる人間が、ここにいるわけだから。
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