冗談でもなんでもない。
それだけは信じてほしかった。
それに、冗談でこんなこと言うわけないだろ?
どうせ嘘をつくなら、もっとまともな嘘つくし
「その、“大坂楓”って子はどこにおるん?」
「そうそう、誰やそいつ」
「…いや、それが俺にもわからんのや。電車に乗って、目の前から急にいなくなった」
「あんたの妄想ちゃうん??」
「そんなわけないやろ」
「須磨高の女子高生?なんよね?」
「う、うん。ってか俺もやけど」
「…いやぁ。ますます意味わからんわ。ナンパでもしてフラれた?」
「はぁ?!」
「それでショックすぎて精神が崩壊したんやろ?」
「あのなぁ」
「調べてみる?」
「なにを?」
「須磨浦高に、その“大坂楓”って子がいるかどうか」
アイツが、在籍してるかどうか…?
そりゃ在籍してるんじゃないか?
…よくわからんけど。
…でも、よくよく考えたらアイツ編入してきたんだよ。
それにここは「別の世界」なわけだろ?
ってことは、実際問題どうなってるかなんてわからないんじゃないか?
「その子が“超能力”を使えて、しかも「未来」から来たなんて、想像もできん。でも亮が言うようにもしその子が何か関係しとるんなら、会いに行くのが正解なんやない?」
「コイツの片想いに協力せんでもええで?姉ちゃん」
「片想いやないって言うとるやんけ!」
「ほら、見てみぃ。この焦りようを。確信犯やんけ」
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