「違う世界から来たって、どんな感覚?」
冗談っぽく、彼女は言う。
どんな、って言われても…
なんて言えばいいんだろう。
正解なんて無いよな?
そもそもがぶっ飛んでるんだ。
1日中考えたけど、身の回りの出来事について、まだよくわかってない。
結局のところ、ここが現実かどうかも定かじゃないんだ。
感覚的には、…まあ、冴えてるっちゃ冴えてるが。
「ぶっちゃけどう思っとん?」
「どう?」
「…いや、ほら、どう考えてもおかしいやろ?」
「それ自分で言う?」
…うっ
それはそうだけど…
一之瀬さんも、“アイツ”について興味津々だった。
別に何もないって言ってんのに、「探してる」って言った途端。
俺は本当のことを言ってるだけで、別に何もない。
まじで迷惑してんだって。
色々。
今回の件はもちろん、それ以外のことも。
「変な話やなぁとは思っとるよ?」
「…やっぱり?」
「でも、なんか面白そうやん?須磨高に行くのも初めてやし」
「遊びに行くんちゃうで?」
「まあまあ、そう言わんと」
真面目に聞いてくれてるんだろうか?
少し不安になってきた。
後ろの席ではしゃぎながら、バカンスにでも行くかのように声が弾んでる。
そんなんじゃねーって。
少なくとも、楽しめるような状況じゃない。
緊急事態中の緊急事態。
だったら朝から行っとけよって?
いや、それはほら、色々あったから…
千冬が家に来るとは思わなかったし…
一緒に登下校だぞ!?
そんなこと、昨日まで想像もできなかった。
つい嬉しくなる自分がいた。
まじかよ!?って、心の中で叫んでた。
…とまあ、その話は置いておいて。
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