「知り合い、見つかりそう?」
「うーん…」
予想はしてたが、やっぱり元の世界とは何かが違う。
もうだいぶ前に撤去されたはずの電話ボックスが、校門前にまだある。
校舎にかけられてた「バトミントン部 全国大会出場」の横断幕も無いし、佐藤先生の車がラパンのままだ。
夏休みが明けて真っ赤な新車に乗ってきてたのに、どこにやったんだ?
「元の世界と違うってこと?」
「そうとしか考えられんやろ」
元の世界と違うのはわかる。
“元の”って言うのもなんか引っかかるが、違うのは当たり前だ。
一之瀬さんと一緒にいるっていうこと自体、昨日までなかったことなんだから。
…ん?
…ってことは待てよ、よくよく考えたら、俺はここに通ってない。
俺が須磨高に通ってないってことは、野球部はそもそも…
元々大ちゃんと立ち上げた部だ。
「野球」をろくに知らないみんなを集めて、ほとんど“遊び“で始めたようなもんだった。
つーことはだ、須磨高に野球部ってまだ無いんじゃないか…?
いやいや、待て待て。
冷静に考えろ。
だってそうだろ?
大ちゃんと俺で立ち上げたんだ。
俺が須磨高にいないってことは、つまりそういうことで…?
アイツらがグラウンドにいないのも、当然と言えば当然なのかもしれない。
野球部なんてものは存在しなくて、アイツらはアイツらで別の部活をやってて。
でも、もしそうだとしたら今どこにいるんだ?
ツバサは中学の時にテニスやってたらしいから、ひょっとしたらテニス部にいる?と思ったけど、見当たらない。
陸上とかやるわけねーし、バスケとかあり得る?
うーん。
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