雨上がりに僕らは駆けていく Part2

目指せ、甲子園!
平木明日香
平木明日香

第220話

公開日時: 2023年6月5日(月) 23:26
文字数:641


 「知り合い、見つかりそう?」


 「うーん…」



 予想はしてたが、やっぱり元の世界とは何かが違う。


 もうだいぶ前に撤去されたはずの電話ボックスが、校門前にまだある。


 校舎にかけられてた「バトミントン部 全国大会出場」の横断幕も無いし、佐藤先生の車がラパンのままだ。


 夏休みが明けて真っ赤な新車に乗ってきてたのに、どこにやったんだ?



 「元の世界と違うってこと?」


 「そうとしか考えられんやろ」



 元の世界と違うのはわかる。


 “元の”って言うのもなんか引っかかるが、違うのは当たり前だ。


 一之瀬さんと一緒にいるっていうこと自体、昨日までなかったことなんだから。

 


 …ん?


 …ってことは待てよ、よくよく考えたら、俺はここに通ってない。


 俺が須磨高に通ってないってことは、野球部はそもそも…



 元々大ちゃんと立ち上げた部だ。


 「野球」をろくに知らないみんなを集めて、ほとんど“遊び“で始めたようなもんだった。


 つーことはだ、須磨高に野球部ってまだ無いんじゃないか…?


 いやいや、待て待て。


 冷静に考えろ。


 だってそうだろ?


 大ちゃんと俺で立ち上げたんだ。


 俺が須磨高にいないってことは、つまりそういうことで…?



 アイツらがグラウンドにいないのも、当然と言えば当然なのかもしれない。


 野球部なんてものは存在しなくて、アイツらはアイツらで別の部活をやってて。


 でも、もしそうだとしたら今どこにいるんだ?


 ツバサは中学の時にテニスやってたらしいから、ひょっとしたらテニス部にいる?と思ったけど、見当たらない。


 陸上とかやるわけねーし、バスケとかあり得る?


 うーん。

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