雨上がりに僕らは駆けていく Part2

目指せ、甲子園!
平木明日香
平木明日香

第386話

公開日時: 2023年11月24日(金) 14:20
文字数:621


 嫌そうな顔をすると思ったが、案外そんなことなかった。


 はいこれ。


 今日の買い出しリスト。



 「なにこれ??」


 「見ての通り重たいもんばっかやから頼むわ」


 「買いに行けと?」

 

 「1人で行ってくれるん?」


 「ええ!?」



 別にいいんだよ?


 行ってくれても。


 ただあんたに頼むと余計なもん買ってくるからなぁ


 あんたん家はなんもないの?



 「俺ん家?」


 「おばさんに頼まれてないの?」


 「今日はとくに」


 「ふーん」



 校舎を出て自転車置き場に向かった。


 体育館の屋根が、斜面の下側に見える。


 石段を登った先にある剣道部の道場の入り口で、袴姿の生徒が出入りしているのが見えた。


 道場は昔からあって、最近改修工事がされたばかりだ。


 体育館裏の狭い通路と、小さなプレハブ小屋。


 蓮池が、手入れの行き届いた玉ツゲの庭の向こうに見えた。


 道場の近くはとくに“庭園”って感じがして、ふさふさの芝生が、白い敷石の周りに入り組むように重なっていた。


 木陰の下にある水鉢が、いい味を出しながら。


 

 そういえば最近、コウと居残り練習してないじゃん。


 なんかあったの?



 「何もないけど」


 「バッセンにも寄っとらんやん」


 「バッセン!?」


 「バッティングセンターのことや」


 「それは知っとる」



 川沿いにある『赤木バッティングセンター』。


 今時珍しいアームのみが稼働する旧式のタイプで、店員もほとんど1人しかいないボロいバッティングセンターだ。


 他にもお店はあるが、亮平のお気に入りはそこ。


 モニタータイプのやつは嫌いみたいだった。


 試合感が狂うみたいで。


 

 




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