おま…もり…?
サイドポケットのファスナーの金具に、ほつれかけの赤い紐がぶら下がっている。
『必勝祈願』と書かれたボロボロのお守りが、キーホルダーみたいに取り付けられていた。
そのお守りは小さく、『生田神社』の刺繍文字が入っていた。
巾着の形をした、可愛らしいデザイン。
手作り感満載の、シンプルな作り。
俺は知っていた。
その“お守り”を。
神社のどこに売っているかも、“かわいい”っていう理由で、学生に人気なことも。
バックの上で跳ねているそれを見て、ハッとなったんだ。
どこかで見たことがあると思った。
そしてすぐに思い出した。
色違いのそのお守りを、俺も持っていたから。
「 それ——」
思わず声を上げてしまって、視線を近くに移した。
やっぱり、間違いない。
ボロボロだけど、この素材、この色、あのお守りで間違いない。
所々補修してるみたいで、外袋の生地はもう、だいぶやつれていた。
見た感じ、かなり古い。
俺のより古いんじゃないか?
バックなんかに取り付けてるから、すっかり日焼けしてしまってる。
俺のその声に彼女は振り向いて、「何?」と聞いてきた。
「…あ、いや」
俺の視線に気づいたのか、彼女は「ああ、これ」と呟いた。
そろそろ買い替えんとな、と、微笑みながら。
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