「はぁ…」
「何ため息ついとん?」
「なんでも。こっちの話」
こっちの世界に来て、アイツの家に行ってみた。
アイツっていうのは女のこと。
神戸に住んでるって言ってたから、思いきってのぞいてみた。
そしたら玄関であしらわれた。
「キーちゃんに伝えてくるまで、戻ってくんな」と。
色々聞きたいことがあったんだ。
千冬のこともそうだが、こっちに来る前に俺にしたこと。
変な感触がまだ残ってるんだが、まさか…ね
ほっぺたに何かが触れたんだ。
それは間違いない。
妙に温かかった。
それに、柔らかかった。
あれは一体何だったんだ…?
言い寄ったが押し返された。
「近づくな変態!」と、お隣さんにも聞こえるくらい大声で。
伝えるって言っても、何をどう伝えればいいんだよ。
千冬は今幸せそうにしてる。
俺が告ったところで、何かが変わるとも思えない。
それに…
まあいいか、とりあえず。
どうせあれだろ?
アイツが勝手に盛り上がってるだけだろ?
千冬を助けるって言ったって、俺が告ることとどう関係があるっていうんだ?
色々説明されたのはされたが、腑に落ちないことがたくさんある。
「千冬と結婚する」って、アイツの妄想なんじゃないのか?
そうやって俺を誘導して、恥をかかせようとしてるとか。
大体結婚なんて、無理難題すぎだっつーの。
まだ付き合ってすらいねーし。
誰とも。
さーて、1限目の準備でもすっかな。
カバンを漁ってるとイッシーが来た。
プリントちゃんと配ったか?と俺のことを指差す。
あれ?
さっき石田さんが配るって言ってたんだがな。
まあいいや。
今から配りまーす。
ミッチー足邪魔。
通るからしまってくれん?
あと、俺の消しゴム返せ。
すっかり返してもらうの忘れてた。
昨日課題やってる時に気づいて、予備もないから困ったんだよ。
今日はちゃんと持ってきたんか?
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