「どうしても大事なことがあって」
「だからなんやねんそれ」
視線が痛い。
言葉がないというかなんというか。
アイツを探さなきゃいけない。
だけどそれを説明するには無理がある。
まじでどうしよ…
学校に行くっつっても、神戸高に行ったことなんてないぞ?
制服も学生証もあるから、ほんとに在籍してるってことなんだろうけど
「会いたい人がおるんや」
「会いたい人ぉ?!誰???」
この際なんでもいいやと思い、「友達」と答えた。
知人とか言うとまたややこしくなりそうだったから。
「学校が終わってからでもええやん」
「色々事情があって…」
もっともすぎて反論の余地がない。
“学校を休んでまで”っていうのがネックすぎる。
おとなしく学校に行った方がいいんだろうか…?
と言ってもなぁ
「急ぎの用があってやな」
「詳しく聞かせて?」
「…それは、無理」
「なんかやましいことでもあるんか」
ないない。
“やましさ”なんてこれっぽっちも。
むしろ助けて欲しいくらいだ。
まさかこんな状況になるなんて思ってもみなかった。
誰も思わないだろ?
“別の世界に飛ぶ”なんて。
「夕方まで待ってられんのやって」
「どうして??」
「…どうもこうも、どうせ信じてくれんやろし」
「せめて理由くらい話しぃや」
「嫌や」
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