「普段はまーちゃんって呼んでくれとるよ?」
「まーちゃん??」
「うんうん、そんな感じ」
「ふーん。仲ええんやな、俺たち」
「ふぇ!?」
「…あ、いや、仲良くないとそうはならんやろ?」
“まーちゃん”って…
一周回って呼びにくいんだが。
それならまだ、呼び捨ての方がマシだ。
誰かをちゃん付けするのって、正直抵抗があるんだよな…
仲が良いとかならまだわかるんだけど
「ほんまに忘れたん?」
「信じてくれるん!?」
「…えっとぉ」
声が上擦ってしまった。
そのせいなのか、若干びくついている一之瀬さん。
驚いてるって言った方がいいかな?
ちょっと前のめりすぎたかも
「信じられんよな…」
「…冗談とかやなくて?」
「違う」
「ええええ」
人間たるもの、そうそう記憶喪失に陥るものではない。
と、俺は解釈している。
その考え方は、間違ってないはず…
だから彼女が見せる反応は、想定内っちゃ想定内だった。
すんなり信じてくれたらくれたで、逆に大丈夫?ってなるから。
いや、別に信じてくれても良いんだけどさ。
「誓って嘘やないから」
「…冗談よね??」
「俺の目見てくれ」
こっちは真剣だってことを伝えるしかない。
まじまじと彼女の方を見る。
目は嘘をつかないって言うだろ?
だから…
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