雨上がりに僕らは駆けていく Part2

目指せ、甲子園!
平木明日香
平木明日香

第325話

公開日時: 2023年9月16日(土) 20:49
文字数:1,153


 「誰かの「体」と「魂」が切り離されたら、あんたはそれを「人間」やと思うか?」


 「体と、魂…?よくわからんが、多分…」


 「なんでそう思う?」


 「なんで…って、別に深い意味はないけど」


 「ほんならどっちが人間?体と魂と」


 「は?…別々になったってこと?」


 「そういうこと」


 「…しいて言うなら、魂?」


 「なんで?」


 「体にはなんも入ってないってことやろ?せやったら、魂の方が近いんちゃうん?」



 ごめん。


 自分で言っててよくわからん。


 別々ってなんだよ…


 でも、そういうことだろ?


 体と魂が違うところにあるなら、魂の方が重要なんじゃね?


 体はだってほら、ただの入れ物なわけだし。



 「本来人間には、体と魂なんてものは無いんや」


 「へ?」


 「心と体ってよく聞かん?でも、そんなものはどこにもない。心と体は1つで、それを区分する境界はない。意味わかる?」


 「…全然」


 「キャンバスに描いた「絵」は、絵の具が「絵」か?それともキャンバスか?」


 「どっちかってことはないやろ」


 「やろ?その発想や。「人間」っていう事象を決定付けとるのは、たった一つの要素やない。私たちは常に不完全や。数式上も、物理法則上も」


 「やろ?って言われても…」


 「未来では、人造人間が生み出せるんやないか?って言われとった」


 「人造人間!?」


 「“サイボーグ”とはちょっとちゃうで?人工知能って聞いたことないか?」


 「ある…けど」


 「肉体は人間のままで、それを制御しとるのが機械やとしたら?」


 「つまり…?」


 「それは人間か?」


 「…いや」


 「ほんなら人間は?どっからどこまでがそうなんや?」



 どっからどこまでが…?


 そんなの考えたこともない。


 少なくとも、その人工なんちゃらっていうのは人間じゃない。


 肉体は人間だって言うけど、頭の中を乗っ取られてるってことだろ?


 だとしたらそれは人間じゃない別の何かで、“作り物”っていうか…



 「さっきのお姉さんは人間に見えた?」


 「当たり前や」


 「あの人が人造人間やとしたら?」



 ………は?


 何言ってんだお前。


 もしそうだとしたらやばすぎんだろ。




 「冗談も大概にせぇ」


 「冗談とちゃう」


 「ハハッ。人造人間って、お前さぁ…」


 「あとで証拠見せたるわ。直接見んとわからんやろうし」


 「何を見せてくれるん?」


 「お姉さんの「中」に入っとるもの」



 ……いやいやいや


 見せるって言ったってだな。


 「人造人間」だぞ!?


 …え、まじで言ってる??


 いや、そんなわけが…



 「まあ、人造人間って言うても、あんたが想像しとるもんとはちょっと違うかもしれんけど」


 「あり得んやろ…」


 「なにが?」


 「そんなアホなことがあるわけない。だって、さっきの人は…」



 お姉さんはどっからどう見ても人間だった。


 「人間」って改めて言ってる自分がおかしくなりそうなくらい。


 「中」に入ってるもの…?


 中は機械だっていうのか?


 それとも、チップが頭に?




 いやいやいやいや


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