「大体、私が海に溺れたってなんやねん」
「…せやから、小学生の時に…」
「この通りピンピンしとるわ」
「そう!せやからさっき嬉しかったんや」
「聞いてや!さっきハグしてきたんやでコイツ」
へぇ、と、さや姉は頬杖をつく。
面白がっているようにも見えた。
俺の話を、…というよりかは、俺と千冬とのやり取りを。
「嬉しかったんやからしょうがないやろ!?」
「なんやねん気持ち悪いなぁ…」
「まあまあ、なにがあったか知らんけど、あながち亮の話も嘘やないかもよ?」
「は!?何言うとんや姉ちゃん」
さや姉は、俺が話してるうちにだんだん真面目に聞くようになってくれた。
最初は千冬と同じく「何それ…」って感じだったが、途中からジュースまで注いでくれて。
千冬は逆に、どんどん当たりが強くなってきた。
言えば言うほど反論してきた。
「あり得るわけない」って、俺の目を見て。
気持ちはわかる。
逆の立場だったら、多分、俺も反論してただろう。
信じる方がおかしいわけで。
だから俺もそれを承知で、わかりやすいように説明したんだ。
説明できてるかどうかは置いといて、だな。
「千冬はずっとあの病院におった。ずっとや。顔は痩せこけてて、…どう表現していいかもわからん」
「それで、病院に?」
「うん。騒がしくしてもうたけど」
「病院におった…って、不吉なこと言うなや」
「…すまん。でも事実なんや!信じられんかもしれんが」
「海に溺れた…ねぇ」
「まさか、本気で信じとるわけやないよな?」
「でも、冗談言っとるようにも聞こえんし」
「それはそうやが、そんな次元の話やないやろ?」
「…うーん」
「7月11日。あの日、千冬は海に行かんかったんか??小6の時や」
「そんな昔のこと覚えとるわけない」
「でも、日記書いとったやん?」
「あれは夏休み用に書こうって思っただけで…」
「そっか…」
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