「もしもし」
「あ、さや姉!」
「どしたん?」
「どしたもこうもないわ!千冬がおらんのや!!」
「はぁ??」
「今、病院におるんやけど、入院履歴にも残っとらんって…」
「病院!!?」
「ちょっと!!貸しぃ!」
スマホを無理やり取り上げられ、強い口調で睨まれた。
返せと言ってもダメだった。
静かにしろと指を立てられ、強めのジェスチャーをしてくる。
「もしもしさや姉?亮平が今ちょっとおかしいねん!電話切るで?」
強制的に電話を切られた。
取り返そうとしたが、手を後ろに回されてしまった。
急いで確認したいってのに…
「返せや!」
「あかん!何やっとんねんさっきから!」
「ここにおるはずなんや!」
「せやから、誰が!?」
「千冬が…」
「私はここにおるやんけ!!」
…言ってる意味がわからない。
目の前の女子高生が、…千冬?
いやいやいやいや
…そんなバカなことが
腕についた傷跡。
同姓同名の文字。
“彼女”が誰かを、俺は知らない。
「千冬」だって言われても、…そんなの、信じられるわけないだろ
彼女は俺の言葉を遮るように、「冷静になれ」とか「落ち着け」とか、意味のわからないことばかり。
冷静になってほしいのはこっちの方だ。
とんでもないことが起きてんだって!
落ち着けるわけないし、まじで千冬はどこに…
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