「ほんならあれか?あんたは別の世界から来たっていうんか?」
「…まあ、そうなる」
「…ほんまはおちょくっとるやろ?」
「いや、全然」
「「別の世界から」って、そんなん信じられるわけないやん」
「そう…よな」
うーん。
困った。
どうしたら伝わるんだろうか?
いっそアイツみたいに時間でも止めなきゃ、理解してもらえそうにない。
まあ、そうだよな。
自分で言ってて、「??」って感じだし。
なんだよ“別の世界”って。
…でも、それ以外にいい言葉が見つからないんだ。
…なんて言えばいいんだ?
別の場所…
別な時間…
それとも、「壁」の向こう?
いやいや、余計混乱させるだけだ。
もっとわかりやすくないと
とは言っても、“わかりやすく”なんて無理じゃね?
ありのままを伝えたって、どうせ伝わりっこないだろ。
ここが本当に「別の世界」かどうかも怪しいもんだ。
確認しようがないし、たんに憶測なだけで…
本当にここが違う世界なのか、確かめないと
「なあ、今からお前ん家に行ってもええ?」
「…別に構わんが」
「よし、決まりや」
彼女が千冬かどうかを確かめたい。
それ以外に方法はないと思った。
具体的に、どうすればいいかもよくわからないが。
千冬の家に行けば、なにかわかるかもしれないと思ったんだ。
きっと、さや姉にも会えるだろう。
スマホは返してもらったが、電話をかけようとすると止められた。
アホなことすんなって、相変わらずの形相で。
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