もしも本当に友達だって言うんなら、俺が知ってないはずがない。
少なくとも、そんな話ができるほどの仲なら、千冬と頻繁に会ってたはずだよな?
けど、お前を学校で見かけたことなんてないし、ましてや、俺たちは“初めて会う”。
——そうだよな?
「あぁ、そうやで?」
「そんなヤツがアイツと友達なわけ…」
「へえ。まるで、千冬のことならなんでも知ってるって口ぶりやな」
「そりゃ、…だって、俺たちは…」
「俺たちは?」
確かに言われてみれば、俺になにがわかるんだよって話か…
少々オーバーだったかもしれない。
千冬のことをなんでも知ったような気でいたが、冷静に考えたら、アイツと誰が友達だったかなんて、俺には知りようもないことだ
…でもなあ
「不服そうやな」
「…そりゃ、そうやろ」
コイツの言ってることが本当だとして、勝手に家に上がっていいことにはならない。
それにさっきの嘘はなんだよ!?
今の俺からしたら明らかにお前は「変人」で、おまけに犯罪者だ。
その「事実」はどうしてくれる??
「ちょっとからかっただけやんけ」
“からかう”っていうレベルじゃない。
明らかに度が過ぎてる。
どう弁解するつもりなんだよ。
「まあ落ち着いて?私が寝る場所探してるのはほんとだから」
「いや、だから、それが「何?」って話なんやけど…」
「こんな可愛い女子高生を野宿させる気なんかあんた!?」
自分のことを可愛いって言うな。
喧嘩したかなんか知らないが、家に帰れよ。
心配してるぞ?
きっと。
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