なぁ、まじで違うんだって!!
俺の話を聞けよ!
すっかり意気投合した2人は、ありもしない“俺との馴れ初め”を楽しそうに話している。
女はなぜか家族にしかわからないようなことも知っていて、それをダシに会話に花を咲かせていた。
おかんはすっかり聞き入ってしまっている。
自分の母親ながら、本当にポンコツだと思う。
「亮平、あんたウチに泊めてあげたら?」
女は親と喧嘩したらしく、絶賛家出中らしい。
それで「彼氏」の俺の家に上がり込んできたという大嘘をつき、どこか泊まれない場所はないかという話を持ち出していた。
そんな話を真に受けるヤツもバカだが、今更ながら、どうしてこの女を家に上げてしまったんだと後悔する自分もいた。
止めようと思えば止めれたはずだ。
力づくでも。
…でも、千冬の話を持ち出されたせいで、気になったんだ。
それは今もだが。
「で、あんたらどこまでいっとん?」
誰かこの人をつまみ出せ。
頼った俺がバカだった。
どこまでも進んでねーよ
むしろマイナスだ。
逆にカップルに見えるか?俺たち。
「亮平君って、結構積極的ですよね?」
「おい、適当なこと言ってんちゃうぞ!!」
「照れんなって」
コイツら頭おかしすぎる…
夏樹はどこ行った?
期待はできないが、まだアイツの方がマシかもしれん…
とにかく誰でもいい。
誰かこの状況を変えてくれ…
そうだ、警察だ。
と思ったが、談笑している2人を見ると、逆になんて説明すればいいのかもわからなくなってしまった。
こうなったら隙を見て、なんとか追い出せる方法を見つけないと
読み終わったら、ポイントを付けましょう!