「はい。私の勝ちー!」
ドリブルで相手をかき回した後に、3ポイントシュートを見事に決めた。
千冬は勝ち誇ったような顔をして、マコトの前に立っていた。
千冬らしいな。
それはそうと、本当に仲良さそうだな…
ぱっと見、千冬のタイプの男子には見えないけど
「そういや、お前はお前で真波ちゃんとええ感じやん」
そう…みたいだな。
今日もあの子がいなきゃ、だいぶ苦労してた気がする。
コウは使い物にならなかった。
アイツ、毛ほども信じてくれてないんだ。
クラスじゃ、1番仲がいいみたいなのに。
「実際どうなん?」
…どうって
俺もよくわからん
一之瀬さんはめちゃくちゃいい子だ。
明るくて、変に真面目なところがあって、それなりに天然っ気がある。
繊細な顔立ちからは想像もできないほど、大胆な側面も。
昼休みの時なんか、俺の飲みさしのマスカットティーを「味見させて!」と言って飲み出した。
普通にびっくりした。
そんなことするような子には見えなかったから。
「別に何もない」
そう言う以外に無い。
「俺」にとっちゃただのクラスメイトで、話しやすい女子って感じだ。
ただこっちの「俺」は、なぜかデートの約束をしてる。
それに関しては自分でもよくわからない。
2人で映画だぞ!?
何がどうなってそうなったんだ、まじで。
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