「今から時間を止めて、あんたを全裸にすることも可能や」
「は!?!?!?」
「ま、できればそんなことはしたくないがな…」
全裸にする、とは。
急に何を言い出すんだ…?
妙に神妙な顔つきになったかと思うと、考え込むように腕を組んだ。
「せやから、私の言うことちゃんと聞き?やないと、街のど真ん中で全裸になることになるで?」
…
何恐ろしいこと言ってんだコイツ…
ふざけんなと捲し立てると、女は俺を揶揄うように見た。
「そういう態度やで?」
「…怖すぎ」
「冗談やがな」
冗談に聞こえないんだが?
想像したら鳥肌が立った。
ぶっちゃけ、想像はできなかったが、この前のことを考えると、あながちあり得ない話ではない。
「警察呼ぶで?」
「スマホがここにあるのにか?」
ヒョイっと右手を上げると、そこには俺のスマホが。
さっきまで手で持ってたはずなのに、なぜか、無い。
瞬間移動した…!?
直感的にそう感じてしまった。
だって普通に持ってたぞ今。
電卓をいじってて、その後ずっと握ってて…
「…冗談やろ?」
「いい加減わかれや」
疑ってるわけじゃない。
いや、…まあ、疑ってないわけでもないけど。
それよりも信じられないだけだ。
単純に。
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