江戸の猟奇殺人者・樋口二郎は死刑同然の迷宮放逐の刑を言い渡され、魑魅魍魎巣食う地下五階層に放り込まれるが、持ち前の悪運と生命力を発揮して地上へと舞い戻らんと奮闘する。
深層から地上を目指して迷宮を上がってくる機人。防人と呼ばれる異界との境界を守る達人たちなど、さまざまなキャラクターたちが樋口と出逢い、その運命と交錯する。
やがて迷宮から抜け出した樋口は己の存在を根底より揺さぶる真実を知ることになる。
苦悩と葛藤。
決して晴れぬ迷いを抱えたまま――
果たして樋口は迷宮へともう一度足を踏み入れるのだった。