失われた世界、オレンジカウンティ。
ここは、“数多の未来が集う場所”とも言われている。
世界に属しておらず、また、関わりを持つこともない。
いわば、「捨てられた場所」であった。
世界から。
また、——人々から。
未来は一つしかない。
過去が一つしかないように、時間の流れは、一本の道の上に築かれている。
ただし、かつての世界はそうではなかった。
無限の可能性があり、また、無限の未来があった。
決して、「運命」という言葉に左右される世界ではなかったのだ。
神と悪魔が、対立するまでは。
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