ノベリズムの仕様が少し他と異なるため、少しづつ改稿していきます。
シルバーウルフ討伐隊リーダー
冒険者:アージェ
私はギルドマスターからの推薦もあって少し前に念願のAランクになった。
このニッケルの街にくる前。
他の街のギルドマスターには認めてもらえなかった。
『お前の実力じゃAランクの依頼は命に関わる。』
私は納得ができなかった。
私は十分強い。
この街のギルドマスターが見る目がないだけなのに。
私は隣にあるニッケルの街に行くことを決意してその日のうちに街をでた。
ニッケルの街では私を高く評価してくれた。
すぐにランクも上げてくれた。
本来ランクアップに必要なはずのAランクの魔物討伐実績も免除してくれた。
『実力がある者を優遇するのは当たり前だ。ニッケルの街のために力を貸して欲しい。」
ギルドマスターはそう言ってくれた。
この街のギルドマスターは自分のために気に入った冒険者だけを不正にランクアップをさせているという冒険者もいた。
どうかしてる。
他の街のギルドマスターに見る目がないだけだ。
ある日。ギルドマスターに呼ばれた。
ギルドに行くと、東の草原にシルバーウルフが大量発生している話を聞かされた。
私は今回の討伐作戦のリーダーとして討伐に参加するように、ギルドマスターから指名依頼を受けた。
討伐参加者は三十二名。
参加者はみんなランクB ~ Aランクのみ。
この規模の討伐隊のリーダーはAランクの中でも、Sランク昇級間近のベテランの冒険者がやるポジションだ。
私は迷うことなく指名依頼を受注した。
翌朝。討伐隊参加者は準備をして街の門に集合した。
私は他の冒険者達に指示をだして出発の準備を進めていた。
冒険者は男性が多い。
見下されないように、口調には気をつけないといけない。
「もう少し経ったら出発する!食糧や装備を再度確認してくれ!」
いくら大量発生しているとはいえ、シルバーウルフはDランクの魔物だ。
討伐に参加する冒険者達も浮き足立つこともなく準備は順調に進んだ。
『あっ?なんでネコがここにいるんだ?』
私はギルドマスターの声がしたほうに振り返った。
ギルドマスターが黒い猫耳の服装をした少女達と話していた。
猫耳の少女達の話し声は小さくて聞き取れない。
ギルドマスターの声はとても大きくてよく聞こえた。
話を聞くかぎりあの子達は実力もないのに、いきなり暴言を吐くような子達みたいね。
今までもそういう人達はよくいた。
ギルドマスターが言うには、実力もないのに暴言をいったり不当な扱いを受けたと根も歯もない虚偽の話しを吹聴したため、やむなく依頼の受注を拒否したということだった。
猫耳の少女達に視線を向ける。
あの子達もそういう輩なのね...。
「まだ幼いとはいえ許されることではないわね。」
「アージェさん!討伐参加者の準備が終わりました!」
「わかった!すぐに出発する!」
私達は街をでて東の草原に向かって進んでいった。
街をでて1時間ほどで東の草原についた。
私は草原を見渡した。
広がる緑の大地に無数に白いなにかが点在している。
「おい。あれシルバーウルフか?」
「まだよくみえねえな。」
他の冒険者達も草原を見つめて騒ぎだす。
アージェ瞳を閉じて現状について考えた。
まだ距離があってどれだけのシルバーウルフがいるのか見えてこない。
考えなしに全員で進むのは危険かもしれない。
足の速いスキルや遠くを見渡せるスキルを持ったレンジャーの天職を持った冒険者がいればよかったんだけど...。
いないものは仕方ないわね。
「アージェさん。どうしますか?」
「このまま前衛を先頭に進行する!」
シルバーウルフ程度何の問題はない。
草原の先を見据えて討伐メンバーに指示を出した。
ー 冒険者ギルド ー
受付担当:メアリー
「はあー...。」
私はギルドの受付カウンターに座り大きなため息をついた。
本来シルバーウルフはとても賢い。
小規模の群れで行動し連携して獲物を捕食する。
冒険者との戦闘時も危険と判断すれば退却を選択できる程度の知能もある。
そんな魔物が餌になる獲物も少ない草原に大量発生するなんてどう考えてもおかしい。
本来であれば調査隊を先に派遣して状況を把握。その後戦略を立てるべき案件。
なのに現在ニッケルのギルドには調査に適した冒険者がいない。
調査に適した冒険者は目立った戦闘力がないことが多く、比較的平和なこの街で活躍の場は少なかったためランクアップすることが難しかった。
それが気に入らなかったあの筋肉バカが暴言や虚偽の吹聴などありもしない素行不良をでっち上げて街から追い出してしまった。
高ランクプレイヤーを多数囲い込むためにしてきた不正なランクアップや功績を上げやすい攻撃職への過度な優遇も冒険者達が離れていくことに拍車をかけた。
おかげで脳筋だらけのバランスが悪いギルドになってしまった。
「他の街に救援要請をすればよかったのに。」
「マスターのプライドが許さなかったんでしょ。」
隣のカウンターに座る同僚の声に気づき振り返る。
彼女も呆れた顔でため息をついた。
バターン!!
扉を開ける大きな音に驚き振り返る。
ギルドの入口にボロボロの冒険者が倒れていた。
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