休憩をとって体力も少し回復したので、先へ進
むことにした。
「やっぱりこの自動販売機このままのしとくのはまずいよね......」
まだこの世界がどのぐらいの文明レベルなのかも分からない。それに自動販売機の中には飲み物が1種類に1本づつはいってる。貴重な飲み物は絶対持っていきたい。
「──でも手に持って歩くのは嫌だなぁ。ゲームにあったなんでもはいる収納バッグでもあればいいんだけど。......ちょっと試しにやってみるかな?」
私は試しに心の中で思い浮かべてみた。するとドサッ!っと地面に何かが落ちる音ともに革のショルダーバックがでできた。
「おー! 本当にでてきたよっ!」
今回は出てきたらいいなーってすごく期待してたんだよね。やるだけならタダだ。それに有名な青い猫型ロボットのポケット!......じゃないけど同じようなバッグだよ? まさに夢のアイテムだ!
「とりあえず入れることができるか試してみようかな?」
自動販売機と飲み物はバッグの中に問題なくいれることができた。なんか吸い込まれていった感じ。
「......これバックの中で粉々になったりしてないよね?」
すこし不安になったので取り出せるかどうか試してみることにした。
バックに触れてみると、中に何がはいっているのかが頭の中に浮かんできた。すごく不思議な感覚だ。もちろん中身も問題なく取り出すことができた。
結局この加護の力ってなんなんだろ? いまのところ分かっているのは......。
①同じのものは複数だせない
②だせない物もある
③だせる物は例え地球に存在していない物でもだすことができる。
④欲しい物を声に出さなくても問題ない。
⑤抽象的だとだめ。
うん。学生の頃みんなで正解を当てるような遊びあったなー。少し懐かしさを感じながら加護について考えてみる。
ミリアーヌの加護(創造改変)
『だせる物』と『だせない物』の違いと、なんですべて『1つしかだすことができない』のかは、分からないから今後検証していくしかないかな。
ん?でも同じ物は1つしかだせないのに自動販売機の部品や飲み物の容器はいいんだ。
ミリアーヌクオリティー?
まあ私としては助かるけど。
「よしっ! ここは危険だし。もう少し頑張って街か危険がない場所を探さないとね!」
◆◇◆◇
しばらく草原を歩いていると、遠くに城壁みたいなのが見えてきた。
けっこう大きい。
魔物とかがいる世界だからかな?
門の前につくと、槍を手に持って鉄の鎧を着た目つきの鋭い兵士さんがいた。
んー。文明レベルは私がいた世界より低いのかもしれない。槍や鉄の鎧なんて初めてみたよ。
てか兵士さんの視線すごくこわい。
いきなり刺されたりなんてしないよね?
なんか緊張してきた......。
「ちょっと待て。お前見慣れない格好をしているな。どこからきた?」
困った。どうしよう......。適当にごまかしてみようかなー?女神様に連れてこられました!なんて言ってもさらに怪しまれるだけだよね。
うん。私なら確実に正気を疑うね。
わたしは猫をかぶりながら兵士をさんを見つめて口を開く。
「遠くの田舎からでて旅をしています。名前もないような村なのでご存知ないかもしれません」
「あー。まだそうゆう村もあるちゃあるか。それによくみたらその服装。勇者様が着てた服と似てるな。武器もなしで旅をしてたのか?」
そういえば勇者がいるんだった。話しを聞いてる感じだと、勇者が元々いた世界って服に関してはわたしと同じ世界、もしくは近い文明レベルの世界だったのかも。ちょっと会ってみたいなー。
「衣服は私が勇者様が大好きなので、両親が用意してくれました。武器は途中で壊れてしまって......」
「そうか。勇者様が好きで服までねえ......」
兵士さんは若干呆れた感じで、私の服を眺めてきた。
すごく残念な人を見る目で見られてる気がする。そんな目で私をみないでください! ううっ......。選択肢がなかったんだよ!!
「武器は災難だったな。まあ魔道水晶も反応していないってことは犯罪を犯して逃げてきたってわけでもないだろうし、もう通っていいぞ」
魔道水晶? それでどうやって判別してるのかきになるけど、いまは街にはいることのが大事だよね。
「ありがとうございます」
「そうだ嬢ちゃん。新しい武器を買うならマリーメリィ商会にでも行ってみるといい。すこし変わった店だが嬢ちゃんなら......。まあ、気にいるんじゃないか?」
「......それ私もかわってるって言ってるよね?」
「ぷっ! ま、まあ街を歩いてりゃ嫌でも目立つからすぐ分かる。いろんな意味で有名な店だから気が向いたらいってみるといい」
──このおじさん、いま笑ったよね?
少しイライラしつつ、一応兵士さんにお礼を言ってから街の門をくぐった。
◆◇◆◇
ー ニッケルの街 ー
街の中は夕暮れ時だからなのかジョッキみたいなのを片手に食事を楽しんでいる人や、屋台で串焼きみたいなものを食べてる人達で賑わっていた。
「いいなぁー。はあ......。わたしもお腹減ったなぁ......」
ぐぅーぐぅー鳴るお腹をさすりながら、兵士のおじさんが言ってたマリーメリィさんのお店を探してたら思いのほかすぐ見つかった。
『マリーメリィ商会』という文字と、かわいい猫達が竜と戦ってるような絵が描いてあるとても大きな看板。
なるほど。確かにこれはすごく目立つ。マリーメリィさんは猫好きなのかな?
お店の中に入ってみると、たくさんの武器や防具が並んでいた。
でもネコだらけだ。どの武器や防具にもかわいい猫ちゃんの装飾がついてる。盾の形が猫ちゃんのものまである。
門にいたあのこわい兵士さんがここの可愛い武器や盾もってたらすごく面白そうだ。今度買ってもっていこう。......笑われたからじゃないよ?
『おーっ......」
突然、背後から幼げなで可愛らしい声が聞こえてきたので振り返ると、15歳ぐらいの私より小柄な女の子が私に向かって走ってきた。
青い髪の美人さんだ。かわいい黒色の猫耳パーカーを着ている。
女の子は私のとこまでくると、無表情だけど目をキラキラ輝かせながら私の着ている服をジーッと見つめて、「うん。そっか......。じゃあこっちは......?」と感心するようにウンウン頷きながら、周りをトコトコ歩いてて凄くかわいい。これは反則だ。
「.....うん。やっぱりそう。私といっしょ。私も勇者様の服を参考にして作った。同志?」
作った? 黒色の猫耳パーカーのことかな? この子もしかして......。
「あっ。私マリー。よろしく」
「はじめまして。わたしはチカです。あなたがマリーメリィさん?」
「ん。正しいけど違う。よく間違われる。私はマリーメリィのマリー」
「.....?」
『マリー! それじゃわかりづらいって何度言ったらわかるニャ! 女の子も困ってるニャ!』
声がしたほうを振り返ると、赤い髪でかわいい白色の猫耳パーカーを着た18歳ぐらいの女の子がいた。
私やマリーさんより少し背は大きい。顔はマリーさんに似てる気がする。家族かな?
「......ん? 困っている女の子?」
私は後ろを振り返った。
冒険者の男女が商品を手に取って仲良さげに買い物を楽しんでいた。どうやら女の子はいなくなってるみたいだ。
「私はメリィ。マリーメリィ商会は私と妹のマリーで経営してる商会ニャ!せっかくおつかいにきてくれたのに、混乱させちゃったみたいでごめんニャ......」
メリィさんは申し訳なさそうに頭を下げながら優しく私の頭を撫でた。
女の子って私のことかッ!!
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