ノベリズムの仕様が少し他と異なるため、少しづつ改稿していきます。
倉庫をでて店内にもどってきた。
「メリィちゃんはどこかな?」
魔物の生死の判断方法を聞きたいんだけど......。
店内を歩きながら辺りを見渡していると、大きめの紙袋を抱えたマリーちゃんと一緒にいるメリィちゃんを見つけた。お買い物の帰りかな?
あっ、マリーちゃんと目が合った。
マリーちゃんは私に気がつくと、紙袋を片手に持ちなおして、軽く手を振ってくれた。
「お帰りにゃ! ちょうどマリーとチカの話をしてたニャ」
「私のはなし?」
「ん......。ギルドのはなしをしてた」
「うちが魔物の解体と素材の買取をはじめてからギルドの利益が上がらなくて目の敵にしてるニャ。迷惑かけてごめんにゃ」
「私達のせいでごめんなさい。猫耳パーカー嫌になっちゃった......?」
二人は申し訳なさそうに頭を下げた。
なるほど。だからあんなにネコネコ言ってたのか。あのDQNマスターめぇ......。
「大丈夫だから二人とも気にしないで。解体や買取はまたしてくれるんでしょ?」
「もちろんニャ!チカありがとニャ。でもギルドの講習も受けずに魔物を狩りにいくなんて危ないニャ!」
「うん......。チカが怪我しないでほんとよかった」
「戦うときにどう動けばいいかの知識だけはあったからね。慎重に探索すれば弱い魔物なら大丈夫かなって思って」
まあ、ゲームでだけどね! 知識が全く無かったらホーンラビットに串刺しにされてたかも。
「んにゃー。じゃあチカにこれをあげるにゃ」
メリィちゃんはすぐ近くのカウンタから指輪を取り出してきた。
青い石がついた銀色の指輪を受け取る。
「これは?」
「イマジネーションリングっていって少しだけ動きやすくなる指輪にゃ!」
指輪を手に持って鑑定してみた。
イマジネーションリング
効果: イメージを身体に伝達する能力が少し向上する。
「ギルドの講習を受けたらみんなもらえるニャ。新人さんはそれを装備して、講習で習ったことを弱い魔物で練習して強くなっていくのニャ!」
初心者装備ってことね。どうせならレベルに比例して効果が増加してくれたらいいのに。この世界の運営はケチだなぁー。
でもあまり運動なんてしてこなかったせいで、思うように身体が動かなくて困ってたし助かるかな。
「あっ、ホント気持ち動きやすくなる程度だから無理はしちゃ駄目ニャ!」
「はーい! ありがと」
メリィちゃんにお礼をしてから指輪を指にはめた。まあないよりマシかな? つけてて困ることもないしね。
「それにしてもあのギルドマスターにも本当に困ったものニャ! 最近は特にニャ! ギルドマスターの立場を利用してやりたい放題ニャ!」
「どういうこと?」
「気に入ってる冒険者や強い冒険者を過度に優遇して、逆に自分が気に食わない冒険者には冷遇したり依頼を受注できないようにして追いだしたりしてるニャ!」
「ひどいね。でもなんで強い冒険者をそんなに優遇するの? どの街にいても同じじゃない?」
「強い冒険者を自分の手元に多くおいておけば、ギルドという組織の中で大きな影響力を持つことができるからニャ」
「大きな影響力?」
「例えばニャ! 自分の街にいる冒険者では対応できないようなことが起きたら、その街のギルドマスターはどうすると思うかニャ?」
「あっ!」
「気づいたかニャ? 他の街のギルドに救援を依頼するしかないのニャ。もしそこで断られたらその街はすごく困るニャ」
「ん......。自分の立場を強固なものにしてやりたい放題してる。どうしようもない人」
「うちを目の敵にしてる理由もギルドの利益が自分の収入に直結してるからニャ」
メリィちゃんはあきれた表情でため息をついた。
「あっ、マリーちゃん。倒した魔物が死んでいるかどうか判別する方法ってないかな?」
「あるニャ! プロパティの魔法を使えば魔物の名前と状態がわかるにゃ。青のスクロールだから誰でも覚えられるニャ。必要ならあげるニャ!」
「いいのー?」
「もちろんニャ! 迷惑をかけたお詫びに受け取ってほしいニャ! ちょっと待ってニャ!」
そう言うと、メリィちゃんはスクロールが並んでいる棚まで走っていった。
「チカ。私からもこれ」
「ん?」
差し出されたのはマリーちゃんが両手に抱えていた大きな紙袋。
「いいのー?」
「うん。大変だから」
「大変ってなんのこと?」
「うん......。これ」
マリーちゃんは紙袋をあけて黒色の猫耳パーカーを取りだした。
あっ。紙袋の中身って猫耳パーカーなのね。......いったい何着はいってるんだろ。
「こんなにいっぱいありがと」
「うん。チカは明日も魔物を狩りにいくの?」
「そのつもりだよ」
「私も一緒にいっていい? チカが心配」
「パーティの経験ないけど、それでもマリーちゃんがよければ一緒にいこー?」
「うん。明日の朝宿屋に迎えにいく」
明日は初めてのパーティー狩りになりそうだ。すごく楽しみ♪
「チカおまたせニャ! 査定も終わってたからついでにもってきたニャ!」
メリィちゃんが革袋とスクロールを手に持って走って戻ってきた。
そんな急がなくてもゆっくりでいいのに。転んじゃうよ?
メリィちゃんから青いスクロールとお金が入った革袋を受け取った。
お金をバックにしまい、スクロールを開くと、前回のように問題なく魔法を覚えることができた。
これでだいぶ楽になるなぁ。複数の敵がでてきたら様子見なんてしてる暇ないもんね!
メリィちゃん達にお礼を言ってマリーメリィ商会をでて宿屋に戻ってきた私は、夕食とお風呂を済ませ、少し早いけど明日に備えて寝ることにした。
もちろんネコ型の盾は買ったよ?
◆◇◆◇
翌朝。早めに目が覚めたので着替えて食堂に向かった。
朝食を食べ終わるとちょうどマリーちゃんが迎えにきてくれた。
「おはよう」
「ん......。おはよ。早く来すぎた?」
マリーちゃんはテーブルに置いたままになっている食器をみて、首をかしげた。
「ちょうど食べ終わったところだから大丈夫だよ!」
「良かった。すぐいく?」
「そうだね。いこっか!」
わたしは椅子から立ち上がると、食べ終わった食器をカウンターに座るマイちゃんのところまで運んだ。
「二人ともどこいくのー? マイも一緒に行きたい!」
「ん......。魔物を狩りに森にいってくる。マイちゃんには少し早い。ごめんね」
「うー......」
マイちゃんは口を尖らせてうつむく。
マイちゃんの様子をみて、マリーちゃんは少し困った顔をしたあと、助けを求めるような視線を私の方へ送ってきた。
うん。こんなんに可愛いとほっとけないよね。さてどうしたものか......。
「じゃあ今度みんなでどこかいかない?」
「本当? いくーっ!!」
「ん......。約束」
「わーい♪ マリーちゃんとチカちゃんとお出かけ楽しみだなあー♪」
マイちゃんはニコニコしながら目を輝かせて私達を見つめた。私はマイちゃんに笑顔を返した。
「じゃあ私達いってくるねー!」
「うん! 二人とも気をつけてね!」
マイちゃんは手を振って笑顔で見送ってくれた。
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