ノベリズムの仕様が少し他と異なるため、少しづつ改稿していきます。
マリーメリィ商会をでて歩いて10分ぐらいでギルドに着いた。
ジョンさんに教えてもらった通りだ。中に入ってみると人はそれほど多くはなかった。お昼頃だからかな?
カウンターがいくつか並んでいてそれぞれ業務ごとに分かれている。
少しカウンターから離れたところにテーブルと椅子がいくつかあって冒険者の格好をした人達が利用している。
壁には紙が貼られていた。あれがメリィちゃんがいってた依頼なのかな?
いつまで見てても仕方ないので受付のカウンターに向かった。
受付にいくとスーツのような服装をした15歳ぐらいの女性が座っていた。
「ギルドに登録をしたいんだけどここで大丈夫?」
「はい! こちらで加入できます。いま魔導水晶で犯罪歴を確認しますね」
「うん。お願い」
「問題ありませんでした。ではお名前とご年齢を教えてもらえますか?」
「名前はチカ。年齢は22歳だよ」
「えっ?」
「なに?」
「あ、いえ失礼しました。てっきり同じぐらいかと思っていました」
元の世界でもよく童顔で小柄だったから高校生に間違われた。こっちの世界ではもっとひどい。でもたしかにこっちの人は平均的にすこし背が大きいかもしれない。私と同じぐらいなのはマリーちゃんぐらいかな?
「ではこれがギルドカードになります」
「これはなにに使うの?」
「今からご説明しますね」
ギルドカード受け取る
受付の女性はギルドについて説明を続けた。
彼女の話によると冒険者はFからはじまってSSまでのランク制。報酬金額もランクが上がると高くなっていく。依頼達成や魔物討伐でギルドカードを提示して功績を積んでいくとランクが上がっていく。ランクによってはギルドや国から便宜を図ってもらえることもあるみたい。
ゲームと似たようなシステムだ。なんだか学生の頃にもどったみたいでわくわくしてきた!
「おい! メアリー! なんだそのネコは。ギルドの加入希望者か?」
「は、はい! そうです! マスター!」
声がしたほうを見てると、180cmぐらいで筋肉質な50歳ぐらいの偉そうな男が不機嫌そうに受付の女性に近付いてきた。すごく感じが悪い。
「メアリー! うちギルドにネコはいらねえんだよ!」
「で、ですがマスター。ギルドへの加入は犯罪歴がなければどなたでも......」
「俺がいらないって言ったらいらないんだよ! こんなネコみたいな格好したチビがなんの役に立つんだ? 泣いてお願いするなら考えてやってもいいがな!」
そう言うと私を睨みつけて馬鹿にしたようにニヤニヤしている。
(なにこいつ。それも今私のことチビって言ったよね?)
「私の容姿がギルドになんの関係があるの?」
「生意気なやつだな。目障りだからさっさと消えろ」
びっくりするぐらい会話が成立しない。DQNオジだ。いやDQNマスター?
「こんなところこっちから願い下げだよ。時間を無駄にしちゃった」
「なんだと! 何様のつもりだお前は!!」
「おひとり様?」
ギルドマスターは私を睨みつけ顔を真っ赤にしてピクピク震えている。
「おまえっ!! ちょっとこっちに......」
「私はさっさとでていくよ。自分でそう言ったんでしょ?」
「なっ!?」
振り返りギルドの出口に向かう。
テーブルのほうから、ぷっ!と吹き出したような声が聞こえてきた。
気になってテーブルのほうを見てみると、冒険者の人達が顔を隠して笑いを堪えていた。
「おい!! 俺を無視するとは......」
後ろから怒鳴り声が聞こえてくる。
私は無視してギルドをでた。
◆◇◆◇
ギルドをでて宿屋に戻ってきた。部屋のドアを開けて中に入りベットに座る。
「はあ……。これからどうしよう」
私はギルドでの出来事を思い出して溜息をついた。
元の世界にいた頃にDQNに遭遇して撃退!みたいな漫画動画は好きでよく見てた。遭遇したら参考にするつもりだったけど残念。異世界編はなかったよ。
んー。この街のギルドにはもういけそうにないかなぁ。
「ゲームを始めた頃を思い出してワクワクしたのになぁ……」
学生の時にはまってたVR MMO RPG。友達に誘われたのがきっかけで面白そうだから遊びはじめた。広大で色鮮やかMAP。
出会った仲間達と色々な種類のモンスターを倒した。仲間達とレベルを上げながら素材を集めて強い装備を作ってみんなで笑い合った。強くなっていくことが実感できるのがすごく楽しくてドンドンのめりこんでいった。
はじめて少し経った頃。私はひとりの女性プレイヤーと出会った。
最高クラスの神器級の槍を持った上位プレイヤー。気が強くて強引なところもあったけど気さくで明るくてどこか憎めない。そんな人だった。
彼女は私を色々なところに連れて行ってくれた。危ないときはいつも笑いながら助けにきてくれた。
私はそんな彼女の足手まといになるのが嫌で、彼女に追いつこうと当時は必死だった。
愛用の槍を投げて最高難易度のBOSSにトドメを刺して高笑いしている彼女の姿をいまでも鮮明に思い出せる。私の憧れだった。
『チカに持っててほしい。』
彼女がいなくなった日。私は彼女が愛用してた槍を受け取った。
彼女がいなくなってから、あれだけ楽しかったゲームが全然楽しくなくなってしまった。まるで別のゲームで遊んでるみたいだった。
『おねえちゃーん! 夕食できたよー!!』
マイちゃんの声でふと我に返った。窓の外をみるといつのまにか日が沈んでいた。
彼女は元気にしてるかなぁ……?
『おねぇちゃーん?』
「はーい! すぐ行くねぇ!」
私は部屋をでて食堂に向かった。
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