ノベリズムの仕様が少し他と異なるため、少しづつ改稿していきます。
私はマリーちゃんと一緒に宿屋をでて街の門に向かった。
門の前につくとたくさんの冒険者が武器を持って集まっていた。
あれ30人ぐらいはいるよね? なんのために集まってるんだろ。
「もう少し経ったら出発する! 食糧や装備を再度確認してくれっ!!」
赤髪のロングヘアーをした綺麗な女性冒険者が他の冒険者に指示を出していた。
細身でスタイルもいい。背中には大剣を装備している。
あの剣重くないのかな? 私なら立っていられない自信がある。
「マリーちゃん。この冒険者達のことなにか知ってる?」
「ん......。街の人が話してた。東にある草原にシルバーウルフが大量発生してるらしい」
「よくあることなの?」
「ううん。草原までシルバーウルフが出てくるなんてめずらしい。いつもは草原の先にある丘や森にいる」
『マスター!一度調査隊を派遣するべきです!!』
『黙れっ!! シルバーウルフごときなんの問題もない。俺に指図するなっ!! 首にされたいのか!?』
『うっ......。申し訳ありません』
『あっ? なんでネコがここにいるんだ?』
後ろから話し声が聞こえてきたので振り返ると、腕を組んだギルドマスターが私達を睨みつけていた。ギルドで受付してくれた女性も一緒だ。
でたなDQN! しばらく顔も見たくなかったのに!
「ん......。私達は森にいくだけ」
「そうかそうか。うちの優秀な冒険者が街の安全のために身体を張ってるのに、ネコは仲良く森にお出かけかぁー!! いいご身分だなぁー?」
「マリーちゃん。ほっといて森にいこ」
「ん......。わかった」
「......まてよ。ネコの格好をしていきなり暴言を吐くような口だけのお前らじゃ、足手まといになって街が危険に晒されるかもしれんな。ネコには森で遊んでもらってたほうが街のためにもいいかもしれんな!!」
ギルドマスターは腕を組んで馬鹿にしたような顔つきで私達をみてニヤニヤしている。
〈マスターの言う通りだな〉
〈ああ。俺らが街のために頑張ってるのに、いい気なもんだ〉
〈おかしな格好しやがって。なんの役にも立ちやしねえ〉
「どうせならもう一匹のネコも誘って、三匹仲良くそのまま森で暮らしたらどうだあ?」
周りにいる冒険者の話し声がボソボソ聞こえてくる。
さっきの赤髪の綺麗な冒険者も私達に冷ややかな視線を私達に向けていた。
──本当にこの街のギルドはダメかもしれない。DQNが扇動して私達を貶めようとしてることに誰も気づかないの? 私みたいに気に食わないって理由で依頼が受注できずに、追い出された冒険者達を見てなんとも思わないの?
私はマリーちゃんのほうに視線を向けた。
マリーちゃんは両手で服をギュッと握りしめながら、悔しそうに唇を噛んでいる。
──マリーちゃんのためにも早く外にでるべきだね......。
私はマリーちゃんの腕を引っ張り、街の門に向かった。
街の門をでて西の森に続く草原を歩きながら、私はマリーちゃんの方に視線を送った。
普段から無表情だから表情から感情が読み取れないけど大丈夫かな? 落ちこんでなきゃいいんだけど......。
「マリーちゃん。だいじょうぶ?あんなの気にしちゃダメだよ?」
「ん。ありがと。チカ。私ね......」
「ん?」
「私ね......。強くなりたい。お姉ちゃん。マイちゃん。マリーメリィ商会のみんなを守れるように。この大切な猫耳パーカーも馬鹿にされないぐらいすごく強くなりたい......」
「うん。一緒に頑張ろ?」
私はマリーちゃんからとても強い想いを感じた。
私は優しくマリーちゃんの頭を撫でた。
マリーちゃんがこんなに話してくれたの初めてかも。よほど悔しかったのかな。
そういえば私も同じように強くなりたいって強く想ったことあったなー......。
まあ、今はあの頃と違って、身を守れるぐらいにある程度強くなれればいいんだけどね。
私は憧れた彼女との時間を想いだしながら、マリーちゃんと西の森に向かって進んでいった。
◆◇◆◇
草原をぬけて西の森に着いた。
「私はこの短剣で戦うんだけど、マリーちゃんは?」
「ん......。私は魔法を使える」
マリーちゃんは猫耳パーカーのポケットに手を入れて杖を取りだすと、杖を握った手を高くあげて得意げに胸を張った。
マリーちゃんの背より少しだけ小さい杖。絶対にポケットに入るような大きさじゃない。
「えっ。そのポケットどうなってるの?」
「......?」
マリーちゃんは可愛く首を傾げた。少し考えた後、何かに気づいたように両手をポンッ!と叩いた。
「伝えるの忘れてた。猫耳パーカーの小型収納ポケット。チカのにもついてる」
「なにそれ! すごいじゃん!」
「ん! 猫耳パーカーはすごい」
試しに短剣をポケットに入れてみると、バックみたいに問題なく出し入れできた。
これはすごい助かる。すぐ短剣を握れるように帯剣用のベルトみたいなのほしかったけど、猫耳パーカーって大きめでダボダボした感じだったから困ってたんだよねー。
「じゃあ近づいてきた魔物は前方で私が戦って、距離が離れてる敵は後方からマリーちゃんに任せる感じでだいじょうぶ?」
「ん。だいじょうぶ。」
「そういえば魔法ってどれぐらいつかえるものなの?いくらでも使えるわけじゃないよね?」
「難しい質問。使いすぎると脱力感で立っていられなくなる。最後は意識を失う。」
「へー。休んでいれば回復するものなの」
「正解。個人差もあるけどレベルで魔力量がかわる。」
「じゃあ余裕をもって休憩しながらのが安心だね。」
「ん。さすがチカ。助かる。」
マリーちゃんとパーティ連携の相談も終わったので森にはいった。
森の入口付近はホーンラビット単体しか出てこなかった。私が昨日で慣れてたのもあって、二人でサクサク倒す。
もう少し奥にいっても大丈夫かな?
「マリーちゃん。森の奥はどんなのがでてくるの?」
「ん。ヒートモンキーがでる」
「それって強いの?」
「そんなに強くない。けど群れでいると大変。」
「じゃあ少し休んだら、奥にいってみない?」
「ん。りょーかい」
少し休憩してから森の奥に慎重に進んだ。
──あれはサル?
茂みの奥に赤色の毛並みのサルがいた。まだこちらに気付いてはいないみたい。
私はゆっくり背後から近づいて距離を詰めた。
──この距離ならいける!
私は地面を強く蹴って、一気に間合いを詰めた。そのままヒートモンキーの首元を狙って、短剣を振り抜き、首をいっきに切断した。
「ふっー! ちょっと卑怯だったかな」
ホッと一息ついていると、突然私の斜め前方に炎の魔法が放たれた。
私は慌てて放たれた方向へ振り返った。焼き焦げた地面と全身を炎で焼かれたヒートモンキーが倒れている。
「チカ。油断しちゃだめ。気をつけて囲まれてる......」
「ごめんね! 助かったよ」
私は周囲の木々を見渡した。
2匹? ......いや3匹か。逃してはくれなそうかな。
「マリーちゃん後方から魔法で援護をお願い!」
「ん! 任せて!」
そう言うと、マリーちゃんは杖を構えて、炎魔法を放った。
木の上から飛び降りて襲い掛かろうとしていたヒートモンキーは燃え上がり苦しみながら落下する。
他のヒートモンキーが左右から私に襲いかかってきた。
私は踏み込んで片方の敵との距離を詰めた。ヒートモンキーは噛みつこうと飛びかかってくる。
私は斜め前方に躱しながらヒートモンキーを切り裂き、すぐに逆方向にいるもう1匹のほうに振り返った。
「ウキィィィーッ!!」
ヒートモンキーは怒り狂った叫び声をあげながら飛びかかり鋭い爪を振り下ろしてきた。
前方に躱せる距離じゃなかったので後方にジャンプしてギリギリ躱す。
「ん......!」
すかさず後方にいたマリーちゃんが炎魔法を放った。
体勢を崩していたヒートモンキーは躱すことができず、燃えあがり地面に倒れた。
私は切り裂いたヒートモンキーにゆっくりと近づいていった。
ヒートモンキーは激しく息を切らしながら、歯を剥き出しにして、私を睨みつけてきた。
少し抵抗があったけど仕方ないのでトドメを刺した。プロパティで死んでいるか確認してからヒートモンキー達をバックに回収する。
「今度こそ終わったかな?」
「ん。周囲にはいないみたい」
少し疲れたので森の入口付近まで下がり休憩することにした。
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