翌朝。
マイちゃんの声で目が覚める。
「おねえちゃーん!もう朝だよぉー!」
ぐっすり寝てたみたい。
疲れてたのかな?
ベットから起き上がる。
「ふへぇっ!?」
なんで起きたら部屋が血塗れなの!?
慌てて部屋の中を確認する。
床は真っ赤で転がるたくさんの足。
青褪めた顔のおじさん達が腕を縛られ口を塞がれて、怯えたような目つきで私を見つめている。
これ私捕まる?
と、とりあえず話を聞いてみるかな。
ゆっくりベットから降りる。
慎重におじさん達に近づく。
ん?
私が近づくにつれておじさん達の顔は青褪めていく。
目を見開き身体がガタガタと激しく震える。
困惑しながら口を塞いでる布を外す
『ひっ...!!化け物...。』
失礼な!
私のどこが化け物だ。
ネコって呼ばれたほうがまだマシだよ。
トントン‼︎
突然部屋のドアを叩く音がした。
ノックの音に驚いて身体がビクッ!と震える。
ドアの方を振り返る。
「おねえちゃーん?まだ寝てるの?」
「あっ!ち、ちょっと待って!!」
マイちゃんに見せるわけにはいかない。
こんなのトラウマになりかねないよ!
マイちゃんが可愛らしい笑顔で部屋のドアをあけて部屋にはいってきた。
間に合わなかった。
「朝だよぉ!!食事どうす.....る?」
あっ。マイちゃんが固まった。
マイちゃんと目が合う。
「マ、マイちゃん?」
「おねえちゃん...。やっちゃったの?」
「違うんだよ!」
パタン...。
マイちゃんは凍りついた表情のままゆっくりと部屋のドアを閉めた。
「ちょっ!マイちゃん!?」
慌ててマイちゃんの後を追いかける。
違うんだよ!
私は無実なんだよ!
あのあとマイちゃんが呼んでくれた街の警備隊のおじさんに男達を引き取ってもらった。
あっマイちゃん誤解は解けたよ?
「ありゃだめだ。酷く怯えていて会話にならねえ。お嬢ちゃんを襲うつもりで夜中に忍びこんだってことは分かるんだけどなあ。」
「そうなんだ。」
警備隊のおじさんは困った表情で頭を掻いた。
なにそれこわっ!
夜中に襲われかけて怯えたいのはこっちだよ!
でも誰が助けてくれたんだろう?
全く気づかなかった。
物音とかで目が覚めるタイプなんだけどなあ。
「まあ奴等が落ち着いてなにか分かったらまたくるよ。」
「ありがと!」
警備隊のおじさんは宿をでて行った。
でも困ったなあ。
寝てる時に襲われたら何もできない。
なにか対策を考えないと寝てられないよ...。
カウンターでマイちゃんのお母さんに事情を話して部屋を変えてもらった。
部屋のドアを開けて中に入りベットに座る。
先程の襲撃事件について考える。
「あの人達は何のために私を?」
思い当たるのはギルド関連ぐらいかな。
口封じとか?
でも今更そんなことしてもあまり意味ないよね。他の冒険者からマイちゃんが話を聞いたぐらいだ。もうすでに相当噂が広まってる可能性が高い。
んー。分からない。
メリィちゃんに襲撃のこと相談してみようかな。
ベットから降りて部屋をでる。
そのままマリーメリィ商会に向かった。
マリーメリィ商会に着く。
昨日と同じように外にテントが並んでいる。
「どこにメリィちゃんいるんだろう?いつもならカウンターに行くんだけどなあ。」
マリーメリィ商会の建物を眺める。
ガールダのせいでお店が半壊しているので現在修復作業をしている。
魔法でポン!とはいかないみたい。
「探してみるしかないか。」
ジョンさんとかいないかな?
あの人ならメリィちゃんの居場所を把握している気がする。
仕事のできる執事さんて感じだしね!
商品を見ながらテントを歩く。
んー。防犯用の魔道具とかはないかあ。
他の人達はどうしてるんだろう。
魔法とかかな?
青のスクロールであればいいんだけどなあ。
職業がニートなのがつらすぎる。
しばらく商品を見ていると、接客をしているメリィちゃんを見つけた。
「あっメリィちゃん!きたよー!」
「よくきたニャ!マリーのお見舞いにきてくれたのかニャ?」
「うん!あと防犯系の魔道具を探してて。」
「ニャ?なんかあったニャ?」
宿屋での襲撃のことをメリィちゃんに話した。
メリィちゃんは険しい表情をして考え込む。
「本当はマナー違反なんだけど、チカは緑のスクロールは使えるかニャ?」
「青のスクロールしか使えないんだ...。」
「にゃるほどニャ。少し時間はかかるけど王都から取り寄せればあるにはあるニャ。」
「おー!」
「ただ問題もあるニャ。」
「ん?なに?」
「その魔道具っていうのがニャ。ある一定の範囲に誰かが侵入すると音がなって知らせてくれる物なんだけどニャ。」
それでも十分助かる。
なにも問題なさそうだ。
「大音量ですごくうるさいニャ。それにマイちゃんの宿屋の部屋の大きさだと部屋の前の廊下を誰か通るたびに範囲に引っかかるニャ。」
前言撤回。
それは大問題だ。
マイちゃんの家族と他のお客さんに迷惑がかかっちゃう。
「または護衛雇うとか、家を買って魔道具を設置するとかはどうかニャ?」
「んー。」
寝るたびに護衛っていうのも落ち着かないから却下だね。
「家って私で買えるのかな?難しそうなら借りるとかでもいいんだけど。」
「私がなんとかするニャ!」
「いいの?」
「もちろんニャ!チカは大事な友達だからニャ!買うのと借りるのとはどっちがいいかニャ?」
どうしようかな。
この街にずっといるなら買ってもいいけど、他の街にも行ってみたいなあ。
「悩んでるみたいだニャ!」
「あっごめんね!」
「んー。あっそうだニャ!!」
メリィちゃんが何かを思いついたように手をポンっ!と叩いた。
「私達の家にきたらいいニャ!」
「ええっ!いいの?」
「もちろんニャ!部屋も余ってるし気にすることないニャ!家を買いたくなったら買えばいいしニャ。」
「じゃあお世話になります。」
「ニャハハ!そんなかしこまらないでいいニャ!好きなだけいたらいいのニャ!」
なんかいいなこうゆうの。
元の世界じゃ考えられないよ。
「今日から一緒に住むニャ?」
「明日からでもいいかな?マイちゃん達にお礼もいいたいし。」
「了解ニャ!マリーのお見舞いも明日にするといいニャ。じゃあ今日はジョン爺を護衛につけるニャ!」
「ええっ!?」
「私がそうしたいのニャ...。もしチカになにかあったら私は死ぬまで後悔するニャ。私のわがままを聞いてくれないかニャ?」
「ありがと。じゃあお願い。」
あたたかいなあ。
そんなこと言われたら断れないよ。
「じゃあジョン爺まかせたニャ!」
「お嬢様かしこまりました。この命にかえてでもチカ様をお守り致します。」
命にかえないでいいよ?
これは後でジョンさんとお話しをしないとだ。
明日また改めてマリーメリィ商会に来ること約束してジョンさんと宿屋に戻った。
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