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「あの夏、貴方はなにを失い……そして我々は、なにを得たのか」
ドイツ軍のUボートの活躍により、潜水艦の有効性が立証され、各国は本格的な潜水艦隊運用に乗り出した。大日本帝國海軍において、数々の戦歴を遺し伝説とまで呼ばれた、一隻の潜水艦がある。
その名は、伊一四一型潜水艦。
日本軍の慣例として、成績上位の者は戦艦に勤務するのが通例だが、少将という階級でありながら自らその潜水艦長を志願した男『辻岡寛人』
時は変わって令和。量子力学の研究施設として国内最高峰と謳われるNARS。そこで秘密裏に研究を続けるNと名乗る男。海上自衛隊の教官と共に画策する壮大な計画と観測者の存在とは一体何なのか?
そして「ありがとう」から始まる、届く宛てのない手紙に綴られたメッセージとは……