そして私は、彼女の身体を見ると、そこには傷ひとつ無くて美しい肌をしていました。
私達は、しばらく無言のままお互いの身体を観察しあっていたのでした。
そんな沈黙を破ったのは、彼女でした。
「ねぇねぇ」
私は、それに反応するように呟きました。
「なぁに?」
「名前を教えて欲しいんだけど」
そう言われた私は答えるのです。
「……レルティー」
私は小さく消え入りそうな声で答えると、それを聞いた彼女は笑顔になるとこう言ったのです。
「じゃあ、私はルウね」
私は、その名前に何か違和感を感じたのでこう尋ねます。
「どうして私の名前を知ってるの?」
しかし、そんな疑問には全く気にする事もなく、こんな事を言ってきます。
「まあまあ、細かい事は置いといて」
私は、その発言に疑問を持つとこう言ってやります。
「細かくないしっ! 全然っ!」
私は強く否定します。
しかし、そんな私の言葉などお構いなしと言った感じに話を進めようとします。
そこで私は、彼女の話を遮って質問をします。
それは、何故なのかを尋ねると、
「それは……、 何となくっ!」
そう答えます。
その態度に私はイラッとしてこう叫びます。
「ふざけないでっ!」
と。
しかし、その私の言葉を聞かずに無視をします。
「それよりもさ、私にしてほしい事とかないの? あるなら聞くだけ聞いてあげる」
そう彼女は言います。
そんな事を言いながら私に近づいてくると、 耳元で囁きます。
「何でも命令できるんだよ?」
そんな事を言うと私の顎に手を添えて上に向けると、こう言ってきます。
「ねぇねぇ、して欲しい事とかしたくない事とかね、言って欲しい事とか無いの?」
私は、こんな事を言って来るのです。
そんな事急に聞かれても、特に思い浮かぶものはありませんでした。
しばらく考えていると彼女は、こう言いました。
「何も考えてなかったの?」
「いや、そうじゃなくて……」
私は慌ててこう返すと、こう続けます。
「じゃあ、貴方は何が出来るのか教えてくれないかしら?」
しかし、彼女の口から発せられた言葉に私は、唖然としてしまいます。
なぜならば、その言葉とは……。
「私はね、色んなものを作る事が出来るよ?」
とそんな言葉が聞こえて来たからでした。
その言葉に驚いた私は、聞き返してしまいます。
するとこんな事を言って来るのです。
「だからね、どんなものだって作れちゃいますよ?」
とそんな言葉が飛んで来ました……。
「だから、どういうものなのって訊いているんですよっ!」
そう私は、大声で叫んでしまいました。
すると彼女は、落ち着いた様子でこんな事を言ってきます。
「つまりですね、例えば剣とか、鎧、服、盾みたいなのが作れるんです。
他には魔法とかも使えます」
そう言ってきた。
私は、それが本当なのか試す為に、こんな事を言ってみる。
すると彼女は、こんな事を言ってきました。
「本当に何でもありな訳ですよ。はい」
どうせ作り話でしょ、と思ったので私は、適当に返しておきました。
「はぁ、凄いわねぇ~」
私は、そう言いながら彼女をじっと見詰めます。
すると、こんな事を言って来ます。
「ねぇねぇ、もっと信じてくれたって良いんじゃない?」
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