銀の歌

Goodbye to Fantasy
プチ
プチ

偽りは平和の外伝

公開日時: 2021年12月13日(月) 18:30
文字数:7,114


 ああ。世界は青かった。


 水平線──どこまでも続く海原は見通せなくて、それを反射する空も濁りのない青で。

 船上、それも船尾楼甲板(せんびろうかんぱん)※から見える世界というのは、常からそうで。大地の上にあっては味わえぬ、見果てぬ蒼があった。※船の後ろっ側の甲板のこと。


「おーい。カースト!」


 海のさざめきに紛れて、男の声が聞こえて来た。聴き慣れた声だ。男の物にしては、隠せないほどの透明感があるその声音は、どこぞの劇団員かと訊かれてもおかしくないような美声で。

 そしてそれを無理矢理崩して、努めてドスを利かせようとしているのだから、そんな特徴的な声、分からない訳がなかった。


 振り返る事もせずに尋ねた。


「アスカ。ゼファーは?」


「いつも通り」


 そうかと言う間もなく、続けられてしまう。


「何処へなりともあてもなく」


 ダメ押しとばかりに言われて、逃げ道がなくなってしまう。そこまで言われては、感想の一つも答えなくてはいけなくなる。

 今度は振り返り、アスカの姿をしっかり視界に捉えて言う。


「……そうか。哨戒の仕事さえしてくれていたら、何をしてくれていても構わないんだが」


 大柄で金髪の、褐色の肌の男性がうんと頷く。それをよく確認しながら、この対応で間違いはなかったと安堵する。


「メセト翁に連絡を入れておいてくれ。聖女は放浪ばかりと」


「あいよ」


 この男──アスカは言動もさることながら、左目には眼帯、日焼けだけではなせない、生まれ持った浅黒い肌と、いかにも海賊といった容姿を持っている。しかしその実、海賊のオレ達には似合わない程、同意や協調性を求めて来る。大柄な体格に似合わず、多分オレ達の中で一番繊細で、乙女な人物だ。彼の右目には泣き黒子だってある。


 だから実際、ゼファーが居なくなって、それ程困っていなかったとしても、こういう風に言う必要があるのだ。

 アスカは心配性だから。


「にしても、メセトのえろじじいか。あいつはあいつで面倒臭えがな」


 お前も大概だぞ……。内心で思いながら、銀糸鳥(ぎんしちょう)を編んでいくアスカを見る。その内に、やらなくてはいけないことがあるのを思い出した。


「ああ、それと。もう数日後には陸に着くだろうから、何が足りなくなっているか確認しておきたい」


 人同士のやり取りにこだわり、頭の回転も早いこの男は、すぐに言葉の意味を理解する。


「備蓄だな? 俺も行く」


 お前が気にしてるのは食料のことだろう? 言動で暗にそう言ってくれているのが分かる。無駄なやり取りをしなくていいのは、話し相手として助かる。


「悪いな」


「いや。倉庫には俺も用事がある」


 並行して行っていた、メセトへの手紙も書き終わったらしく、銀糸鳥に手紙を掴ませると、飛び立たせた。

 オレ達はそのままの流れで、備品の話をしながら、甲板の上を行く。だがその時。


 ドン! と大きな音がした。ぶつかられたのだ。オレは背丈が小さいから、不注意でぶつかられることは、ままあったのだが、それは一番最初の話だ。まだ皆が慣れない内、その間だけは確かにあった。けどオレ達は、船上で共同生活を始めて、古株の連中だともう十年近くが経つ。


 今もオレにぶつかるような奴は、入って一月の新参だ。古参でそんなことをする奴は、一人を除いて、ほとんどいない。


 そうだ。一人を除いてだ。


 目の前には、自分ほどではないが、小柄な少女が尻餅を付いて倒れていた。ぶつかって来たのは相手なうえ、背丈も自分の方が小さい。なのに相手だけが倒れてしまうのは……純粋な鍛錬の差だ。


「マルヴィーズ……何回目だ。落ち着きを持って、もっとよく周りを見なさい。お前も背丈が低い方とは言え、それでもこの身長差だ。もう随分と前に背丈は逆転した」


 呆れたとばかりに注意する。

 目の前の少女──マルヴィーズを。


「あーーーー! ごめんなさいカースト様!」


 何百といる船員の中でも、特に明るい子であるマルヴィーズ。性格を象徴したような、赤みのある茶色の短髪は似合っていて、素直で従順そうな瞳は、同時に好奇心が旺盛であることを主張している。そんな彼女は馬鹿ではないが、様々なことに気を取られやすい子だ。こういう不注意がもう何度かあった。


 代わりに情報量の少ない限定的な環境であれば、一つのことに集中でき過ぎる程には集中できる。そんな環境次第の特性を、あれこれ強く言っても仕方ないのだが。


 だが……オイルを持っていたとなれば、そしてそれを、他の者がいる甲板で、盛大にぶちまけられたとなれば、文句の一つも言わなければならなくなる。


 アスカは大丈夫かと心配してくれる。真っ黒に染まったこの身体を。

 それに軽口で返すことも出来ず、はぁとため息をつく。上半身はまだマシな部類だが、脚衣(ずぼん)から下はダメだ。靴の中にまで侵食している。


 仕方なしと靴を脱ぐ。それを見ていたマルヴィーズが、何をどう思ったのか。

 頭部の左右から飛び出た、癖っ毛をパタパタと動かして、表情もパッと明るくさせた。それで言うのだ。


「ああーーー! でもでも大丈夫です! わたしに任せて下さいね!」


 マルヴィーズはオレの脚衣を掴むと、ぐいと脱がそうとしてくる。


「な、何をする気だ!」


「わたしの仕事を忘れましたか!? この船の整備担当ですよ! 油で汚れることは日常茶飯事です! 大丈夫です! 任せてくれれば、すぐになんとか出来ますよ!」


「そうだとしても、甲板だぞ! 他に作業員は多くいる。こんな所で脱がせようとするな!」


 ぐいぐいと引っ張り合いは続き、その後ろでアスカは、なんだかオタオタとしていた。それで終いには額に手を当ててしまうのだから、この先に起きる事を予期しているかのようだった。


 このまま続けていたら、確かに目も当てられない事になるかもしれない。オレも流石にそう感じて、手を離そうと思った時だった。


 ビリィと嫌な音がした。そしてそのまま……。


「あっ………………」


 マルヴィーズは絶句した。


 オレも絶句したかったが、しかしやる事が多い。何事かと見ている奴らを、仕事に戻らせるようアスカに頼み、又、手隙の船員に、オイル汚れの後片付けを任せておいた。


 オレはというと、倉庫に行く前に、下着だけで給湯室に向かった。マルヴィーズを連れて……。


✳︎


「ちゃんと厳しくしたか?」


「ああ、もちろんだ」


 こ綺麗にした身で、倉庫の中をアスカと二人、見て回っていた。


「どうだか……。

 てめえは、人を怒んのが苦手だからなぁ。一番最初に会った時は怒らないまでも、有無を言わさぬ圧があった。でも最近はそれもすっかりだ」


「ぬぐ……」


 アスカが先程の件に言及してくる。そして実際言う通りだから困ってしまう。

 あの後給湯室で、汚れを落とすのとは別に、やる事があった。マルヴィーズが泣き出さないまでも、ひどく落ち込んだので、励ましていたのだ。


 下着一つで慰める姿は、客観視したら恥ずかしいものだったが……。


「ただでさえその身長なんだ。新参どもから舐められるぞお前?」


 下らないことを考えていると、ぐさりと来る事を言ってくれた。痛い所を突かれるの、本当に痛い。


「お前が舐められると、必然的にオレ達も舐められるんだよ。……参謀で実質的な主導者だろうが。たまには恐れられる努力をしろ!」


「肝に銘じておく」


 はぁ。こいつのこういう所苦手だ。

 いや、アスカは何も悪くないのだが……。


 都合の悪い事は、なるべく気にしないようにして、糧食の確認などを進めていく。

 と、全て確認し終わらぬ内に、火急の用事が入ってしまったようだ。一羽の銀糸鳥が倉庫の中に飛び入って来た。それに括り付けられた手紙を確認すると、アスカはオレのことを呼んだ。


 無言で頷くと、アスカは簡潔に話した。


「じじい……メセト翁から連絡だ。接敵したってよ」


 それを聞いて、頭の使い方を切り替える。のっびきならないお仕事の時間だ。


「接敵? 敵はどこで、規模はだいたいどの程度だ」


 懐にしまっていた、簡易型の海図を取り出して尋ねると、アスカは焦る様子を少しも見せずに。まず初めに海里を言い、坦々と告げた。


「最初発見した時は、メセト翁の船から北西に六程度で、大型船が一隻に、小型船四隻だったらしいぜ。それで……」


 訊いている最中だったが、気になる単語が聞こえたので、遮って尋ねた。


「『最初』に『だった』?」


 広げた海図の意味が無くなる予感を感じつつ、次の言葉を待った。すると案の定。


「メセト翁等が見つけた頃には、もう既にゼファーが一人でやってたとよ」


 呆れ混じりに、アスカが両手を広げた。


「放浪……責められなくなるな」


 アスカの価値観が少しでも柔軟になるよう、ゼファーの功労を労って言うのだが、しかしこいつの生真面目さは伊達ではない。


「結果を出すのはいい。だが無言で行くなってんだ」


✳︎


「入るぞ」


「はい。カースト様、それにアスカ様」


 メセト翁から届いた手紙には続きがあった。なんでもゼファーは、相手方の船を全部沈めただけに飽き足らず、頭と思わしき人物まで捕らえたのだと言う。そしてその人物はやはり、【例のもの】を持っていたそうで。

 それを知らされ、こちらの船まで出向いて来たという訳だ。


 見張りをしていた人物に、扉を開けてもらうと、そこは真っ暗闇で。光源はオレ達が開けた扉側から入るものしかなかった。

 倉庫を改良して作ったこの部屋は、懲罰房と呼んでいいものだろう。そんな部屋にアスカと二人入っていく。


「なんだお前ら?」


 暗闇の奥底から声が響いていくる。くたびれきった壮年の男の声だ。ゼファーが捕らえたという、相手方の船の頭は、この部屋に放り込まれたのだ。

 ただ、なんだ。手足を縛られて、真っ暗闇に放り込まれて腹立たしいのは分かるが……。まだ拷問もされてもいないだろうに、なんだとはご挨拶だ。


 一旦はその言葉を無視して、扉前で見張りをしていた男に、椅子を持ってくるよう命じさせた。

 その間、暗闇で蠢くようにしてのたうつ、髭面の男はぶつくさと文句を垂れていたが、それらは全て同じように無視した。


 ようやく椅子が届けられたので、それを手に取り、髭面の男の前に置くと座った。男は「俺を馬鹿にしているのか?」と言っていたが、それは気にしなかった。

 それで、ただこの景色を楽しんだ。オレの背丈は低いから、誰かを物理的に見下すことなど、もうほとんど出来なかった。

 いい経験をしたと思いながら、口を開く。


「オレ達が分からない? それは本気で言ってるのか? それで素人と分かる」


 声変わりは終わらせてある。それに、アスカのような透明な美声でもない。低く唸るようにして言えば、とても子どもの声には聞こえないだろう。でも顔と体格は子どものものだ。目の前の男のような、立派な髭はもちろんない。

 だからまぁ、笑われてしまうのも分かるさ。


「なんだよ? ガキ! 遊戯なら他でやれ! とっととてめえみたいな乳臭えガキじゃなくて、あのふざけた女か、てめぇらの頭を出せ! ぶち殺してやる!!」


「血気があるのはいい」


 頷いてやる。


「だが状況を分かっているのか?」


 敵船に捕まり、船は沈められ、自分の部下の安否も不明。よくこの状況で、そこまで横柄な態度を取れる。逆に感心してしまう。

 まぁ……横柄な態度に出れる理由に関して、思い当たる所はあるが。


 そんなことを思っていたら、まさに想像通りの答えを、わざわざ教えてくれた。


「はぁ? てめぇらこそ俺様の船に手を出して、ただで済むと思ってんのか!? 俺はな! 敵対船舶略奪許可状を持ってるんだ。ただの海賊共とは訳が違う! 名誉私掠船だぞ? 分かってんのか」


 オレは当然表情を変化させたし、多分後ろで控えてるアスカも、その顔を苦々しく変化させただろう。

 そうしたら何を勘違いしたのか。さらに捲し立ててきた。


「知らねえじゃ済まされねえぞ。俺達は聖騎士共から許可貰って、略奪行為をやってんだ。俺達に手を出したてめぇらは、あの頭のおかしい変態集団。引いてはグローリー・バースに喧嘩を売ったも同然なんだよ! 馬鹿が!!」


 俺は権力を持っているからと、口汚く罵ってくる。しかしオレ達が、わざわざやって来た理由はこそ……。


「敵対船舶略奪許可状……ね。

 だから襲った」


「は?」


「耳が悪いのか。可哀想だな。もう一度伝えてやろう。だから襲った」


 国に認められた略奪行為。敵対船舶略奪許可状。元々は船を使って逃げる・闘う、展開してくる異業種に対しての政策だったそうだ。しかしそれも時が経てば、悪用する輩や、格の落ちた海賊が持ち始める。


 許可状は簡単に賜られる物ではないというが、実際はこんなものだ。まぁ誰が持とうが、どうでもいいんだ。問題は出所がどこかということ。


「……何言ってんだてめぇ」


 髭面の男は、全く話が飲み込めていないのか、自分の信じる後ろ盾によっぽど信頼を置いていたのか、そんな寝ぼけた反応だった。


 だから【歪曲した筒】を懐から取り出した。


「なぁ、知らないのか。海賊。

 平和に反旗を翻したオレ達の名を」


「平和に反旗を…………」


 髭面の男は、自分の口で反射的に繰り返し、そこで気付いたようだ。自分が何を相手にしているかを。


「いや、待て。そんなの嘘だ!」


 現実が受け入れ難いらしい。それはそれだろう。敵がいないと伸び伸び略奪行為を繰り返す、海賊崩れ共から、オレ達は唯一略奪行為を繰り返している。

 世界に喧嘩を売っている連中なんて、そう多くはいない。だから……察しが悪い時点で、素人だって言ったんだ。


「国に許された海賊行為。国に守られた海賊。自由を求めて海に出たと言うのにな。……オレは、お前が不自由に思えるよ。あるいは飼い慣らされることに満足していると言うなら」


 取り出した歪曲した筒には、シリンダーと呼ばれる部品がある。それを左に外開きして、六つ空いた内の一つに、ちょうどすっぽり収まる、画一された長方形の細長い鉛を入れる。

 入れた後は軽く振ってシリンダーを戻し、同時に筒の先を相手の眉間に向けた。


「そんなもの同じ海賊とは認められない」


 指先を這わせて、しっかりシリンダーが戻っているか確認も忘れずに。

 そうするとついに、分かりやすくこの男は動揺した。


「な、なんだよ。その気味が悪い変な筒。見たことねえぞ」


 身を捩って、逃げ出すような防御の姿勢を取る。それにはちゃんと賞賛を送って、その上で批判しておく。


「未知を恐れるか。それは長の能力には必須だ。偉いな。

 だがお前は怠った。お前が恐れることが出来たのは、この【銃】だけだ。後は何も恐れられなかった。だから許可状を持つ自分達は安全だと油断し、襲われ、全てを無くし、今、また無くそうとしている。己の命を」


 髭面の男の顔に、この日初めて恐怖の色が見て取れた。自身の命の危機を、ついに悟ったのだろう。あまりにも遅すぎる。

 呆れ混じりに言うのだ。


「未知を恐れられるなら、なぜ俺を恐れられなかった。子どもが、こんな喋り方をする時点で、子どもでないのは明白だろう」


「な、なんだってんだよ!」


 ここに来ても分かっていないのか。馬鹿と話すのは本当に疲れる。


「お求めの物だよお客様。オレこそが頭……みたいなものだ」


 生殺与奪は思いのまま。その現実を、銃と共に頭に突きつけた。苛立ちがあった。今更怯えるこの男の愚鈍さに。


「……ひっ」


「情けない。お前がもう少し利口なら、どこから許可状を手に入れたのか、拷問くらいはしてやったというのに。貴様は末端も末端だろう? 話の内容で分かる。必要価値がないのが」


 この男は今何を考えているのだろう。走馬灯でも駆け巡っているのかもしれない。この状況をどうにかする知識や体験が、お前の記憶の中にあるのなら良いんだが。

 こんな男に、それを期待するのも酷だろう。


「平和に殉じ、平和の犠牲となった我らの名を忘れるな。偽りの平和を謳歌する者よ。

 オレ達はつぎはぎだらけの平和にこそ叛逆する」


 引き金にかける力を込めていく。ここまで来たら、もう撃つのは止められない。せめて冥土の土産に聞かせやろう。


「【平和の海賊】。せいぜいこの名を、あの世で広めてくれ。愚かな男よ」


「ひぃ! や、やめ」


 懇願の声は、タン! と小気味良く鳴る銃声によって遮った。


✳︎


「頭はこれでいいとして。捕虜はどうする? そういうのも何人か……これはメセト翁がとっ捕まえたらしいぜ」


 扉脇の壁にもたれかかっていたアスカが、近寄って問いかけてくる。


「割と数がいるのか……。

 であれば従順そうなら取り込んで、程度の低い雑用として使う。ただしその場合でも、イキの良い奴を三人位見せしめにしておけ。

 そして反抗的なら、バラして臓器を売る。金策に使え」


 アスカのことだ。ここまで説明する必要はなかったと思う。けれど背後に立たれてしまって、変に緊張したのだ。顔もこわばった。


「そういう顔をもうちっとしてくれたら、あいつらにも舐められねえと思うんだけどな」


 そうしたら勘違いされてしまったようだ。いや立場上、意図的にこういうことを、行わなければいけないのだが。どうしても自分に似合わなくて、すぐに元の調子を取り繕った。


「【あいつら】は敵ではなく、味方だぞ?

 自分を下げて取り入るのも好きじゃないが、恐怖によって支配するのも趣味じゃない。分かってくれ」


「じゃあ、どうやんだ?」


 アスカは態度をでかくして訊いてくる。こちらの覚悟を試しているのだ。別に成り上がりたいとかは、思っていないのだろう。オレが日頃からこうだから、そういう役割を新たに増やしてしまったのかもしれない。


 だけど、その質問は流石に残念だ。

 ずっと一緒に戦って来たのに分からないのか? 素で言いたくなるよ。

 でもそういった言葉は胸の内に抑えて、目つきだけを冷徹にした。


「ゼファーと一緒だよ。結果を出せるぞ、オレも。港町レドヴァイス襲撃作戦においても、存分に采配を期待しろ」

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