???「さようなら…母様…。」
目を覚ますと、そこは見慣れた図書館だった。
図書館のカレンダーは『1985年10月』を表していた。
隣の席ではクラスメイトの中野広樹が私の顔を覗き込んでいる。
広樹「大丈夫か?早乙女…」
広樹の顔はとても心配そうだった。
長い悪夢から目を覚ましたような感覚…。
いや、8月のあの日から私は長い悪夢を見ている。
今は悪夢から解放されている束の間の時間だ。
でも私が見ていた悪夢は、あの日から続く悪夢を上回るほどの悪夢だった気がする…。
馬鹿みたい…。
あの日以上の絶望なんてあるわけがないのにね…。
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