僕が小学生5年生の時、お母さんが死んだ。
お母さんは優しくて、いつもニコニコしてて、良く頭を撫でてくれた。
でも、お母さんは、病気もちで入院を繰り返していた。長くはなかった。だけど、お母さんはそんな辛い状況にも関わらずいつもどおり優しくて、いつもどおり優しい声で学校の事、お父さんの事、友達の事、勉強の事、いろんな事を聞いてきた。色々教えてもらった。
ある日、お父さんと僕は、お母さんのいる病院に向かった。
お母さんのいる病室は6階の653号室だ。
僕はいつもどおり元気に勢いよく病室の扉をあける。
勢いよく扉をあけたので、少しお父さんに怒られた。
それを見てお母さんはクスッと笑っていた。
いつも、病室に入る時、僕は元気に入るのだが、お父さんはどこか不安そうな悲しいな顔をしている。僕にはまだ、理解ができなかった。
僕とお父さんはいつもどおり、お母さんと雑談をしていると、お母さんが急に体調を悪くした。
すぐに看護師や医者がきて処置を行った。そして、手術室に連れていかれた。
僕とお父さんは手術室の前にあるベンチに座る。お母さんが良くなるように二人は祈っていた。
僕は不安で怖かった。けど、お父さんのほうが、僕より色いろと考えている様子だった。少し手が震えていた。落ちつかなかった。
時は過ぎ、もう3時間ぐらい待っていた。
すると、手術室の赤い点滅が消え、医者や看護師数人が出てきた。
みんな悲しい顔をしていた。
医者は少し言いにくそうに話した。
お母さんは亡くなった、と。手を、全力を尽くした。そう言った。
お父さんはひざから力を失い、座り込んだ。目はうつろになっている。
お父さんは泣き叫んだ。僕も涙を流した。
お母さんが亡くなり1日がたった。お父さんは幽霊のように無のような顔をしている。
そして、葬式もすんだ。
あれからお父さんはあの優しかったお父さんは崩れていった。
僕に手を出した。だが毎日じゃあない。ふと、イライラした時だ。
このお母さんの事は小学校では誰かが洩らしたのかわからないが、亡くなったことに対して、僕は死神扱い、子供のくせにお母さんがいない、いつも悲しい顔している。などという理由で、いじめ徐々に始まった。
いじめやお父さんことを我慢して耐えるしかなかった。
そのうち止めると思ったが止めなかった。
そして、小学校を卒業し中学校に入り、それでもいじめは続いていた。
でも、耐えることはできた。もちろん一人だったら絶対に乗り切れなかっただろう。
あの子のおかげだ。
でも、いつしか人を信用すること、自分を信用することを忘れていた。
時期は中学3年生、受験生だ。高校に合格しついに中学校を卒業し、皐月は高校生に進学した。
皐月はこの高校生活でどんな生活が待っているのだろうか。
ー #00 崩れる家族 ー 続く
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