Padre e hijo y amor.

Kay.
Kay.

#01 待ち受ける高校生活

公開日時: 2022年1月26日(水) 06:58
文字数:2,546

4月、桜の花びらが風に乗せられひらひらと舞う。天気もよく、今日は谷川フロンティア高等学校の入学式だ。


学園内は早くも部活の勧誘の人たちや、新入生などで溢れかえっていた。まるでペンギンの大群のように。






谷川フロンティア高等学校・体育館裏にて



ある金髪のヤンキーが殴られ吹っ飛ばされていた。


4人ほどヤンキーたちが倒れている。


どうやらそのヤンキーたちはある人に喧嘩を売っていた。



その4人を倒したのは身長は大体164センチの低めで髪色がダークブルーでウルフカットの襟足が通常より少し短め、目は比較的大きい男が拳を握り立っていた。



名前は、楢崎ならさき 皐月さつきだ。



あの時、いじめられていた小さな子は高校生になった。そして、中学2年生からある事をしてしまいヤンキーという名が広まった。



皐月は、ポケットに手を突っ込み、体育館裏から体育館表に向かった。入り口付近である女の子が話かけてきた。



〈蓮花〉さっちゃん!!そこにいたの!?



〈皐月〉ん?蓮花か?そのさっちゃんっていうのやめてくれ



〈蓮花〉ごめんごめん、もうすぐ式始まるよ!……ん?あ!!その手についてる血はなに!?



〈皐月〉あ?なんでもねえよ、ころんだ



〈蓮花〉嘘つけ!また喧嘩したの!?あのね!今日は大事な入学式でしょ!なにしてるの?初日で!



〈皐月〉うるせえな!ほっとけ!!



〈蓮花〉だめ!ちょっとまってて!そこの水道でハンカチ濡らしてくるから



〈皐月〉え?あ、おい



と、蓮花はハンカチを濡らした。



この女の子は、梶井かじい 蓮花れんげだ。皐月の小学生1年生からの幼馴染みだ。小学生1年生のときに引っ越してきた。家はとなりで親つながりで仲がよかったため、必然的に皐月と蓮花は仲良くなり、いつしかよく遊ぶようになった。薄いピンク色の髪色にベリーショートという短めな髪型だ。皐月のほうが髪が長く感じる。蓮花は比較的大人しい女性で頭が良く、運動もできる。だが、皐月のことになると、ちょっと積極的になることがある。物事ははっきりしているタイプだ。唯一、皐月の家の事を知っている人間でもある。友達は大切にする。ちなみに身長はちょうど162センチだ。体格は骨が強い。顔が小さく比較的首が長い。そして、負けず嫌い。チャレンジ精神旺盛な女の子だ。



蓮花は、皐月の手の甲についた血を濡れたハンカチで拭いた。



〈皐月〉いってっ!



〈蓮花〉じっとしな!



〈皐月〉くそ!



〈蓮花〉はい!おわり!



と、今度は絆創膏を貼った。



〈蓮花〉これでオッケー!はやく入学式いくよ!



〈皐月〉はあぁ…… わかった



二人は入学式に参加し、3時間ぐらいで終わり、今度は各自教室に向かいホームルームが始まる。



皐月と蓮花は同じクラスだった。



1年C組だ。



それぞれ自己紹介が始まる。



そして、ホームルームはおわり、今日はこれで学校は終わり。明日から授業が始まる。



蓮花と皐月は教室を抜け、家に帰ろうとしていた。



すると、1階下駄箱付近である一人の人物が絡んできた。しかも牛の被り物を着ていた。声は、女の子のようだ。



〈桃那〉は~い!お二人さん!仲良さそうだね!!これから部活見学しない!?



〈皐月〉はあ?部活?おれはそんなくだらないものに興味は……



〈蓮花〉あ!部活見学ですか!?面白そうですね!どんな部活ですか?



〈皐月〉おい!蓮花!勝手に!



〈蓮花〉さつきはだまってて



〈皐月〉くっ!



〈蓮花〉で、どんな部活ですか?



〈桃那〉ふふふ、ついてきてください!実際にみてもらったほうがいいです。向こうにある特別棟5階の音楽室よ!



そう言うと、蓮花と皐月と桃那はその音楽室に向かう。皐月は嫌々ついていった。凄く不機嫌だった。



〈蓮花〉ねえねえ!どんな部活だろうね?



〈皐月〉知るか!



〈蓮花〉なに怒ってるの?今日、不機嫌だね?無理やり連れてきたから?



〈皐月〉あ?うるせえ、見たらさっさと帰るぞ



そう話していると音楽室に着いていた。



〈桃那〉ここよ!



〈皐月〉あ……



皐月は目をおどおどさせていた。



〈蓮花〉さつき?



〈皐月〉この曲……



桃那は音楽室の扉を開ける。すると、そこには二人凄く怖い気迫で踊っている人がいた。



〈桃那〉ようこそ!社交ダンス部・フォルトゥナへ!



牛の被り物を着た女の子が紹介した部活はなんと、社交ダンス部だった。



〈皐月〉しゃ…… 社交ダンス部だって!!ふざけんな!帰る!



〈蓮花〉皐月!ちょっ!ちょっと!



皐月は一人で階段を降りはじめた。



〈蓮花〉す、すみません!さつきは社交ダンスはできません



〈桃那〉え?それはどういうこと?



〈萌心〉部長、どうしたんですか?



〈創矢〉おっ!新しい新入部員ですか!?



〈蓮花〉え、いえ、私は



〈桃那〉それより、さっきの話してくれる?



〈蓮花〉あ、実は……



〈創矢〉なんの話っすか?



〈桃那〉いま聞くところだ。後で詳しく話す



蓮花は話した。皐月の事を。



〈蓮花〉皐月のお母さんは、社交ダンスのプロでした



皐月のお母さんの事、そして、いまのことを話した。



〈桃那〉なるほど。それで…… 創矢、萌心、さっきまでいた皐月くんのことを話そう



と、創矢と萌心に事情を話した。



〈蓮花〉そういうことなんです。だから、さつきは社交ダンスはできないです。トラウマみたいなものです。でも小さいとき、よくお母さんと踊ってました。


凄い楽しそうな顔してた。だから、本当はやってほしい。けど、さつきが嫌なら……



〈桃那〉でも、社交ダンスを皐月くんにやってほしいならもう一度誘ってみるか?



〈蓮花〉え?いや…… 無茶ですよ



〈桃那〉そんなことないわよ



〈蓮花〉え?



〈桃那〉皐月は昔小さいころ踊ってると楽しそうにしてたっていってたわね?それに彼……さっき一瞬……



〈蓮花〉?



桃那たちは少し部室で話して、今日は蓮花は帰ることになった。



〈蓮花〉ありがとうございました



と、蓮花は帰って行く。



〈創矢〉本当ですか?部長?



〈桃那〉本当よ?そうあの子一瞬…… ね



〈創矢〉来てくれますかね?



〈桃那〉さあね?あの子にかかってるわ。でも来るかもね。はい!この話はおしまい!練習するよ!



三人は、話をやめ練習をし始めた。



この時、桃那と蓮花は策を練っていた。皐月をまた、この部室に連れてこれるように。



一方、皐月は家の部屋で寝ていた。今日のことをどうにか忘れさせようとしていた。



ここから高校生活が始まった。皐月からしたら、最悪なものを再び見ることになるなんて。そう思っていた。






ー #01 待ち受ける高校生活 ー 続く

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