朝の出勤前 寮で。
和夫は昨日、前の家で分か奥様が拵えてくれたインスタントラーメンをご馳走になって、その後帰宅して物凄い睡魔に襲われ、洗濯もせずに、入浴もせずに、メールも見ずにそのまま泥のように眠り朝を迎えた。
今朝は朝早くに目が覚め、昨夜にやらないで寝た洗濯をしながら入浴して歯磨き、髭剃り、洗顔を行い浴室から出てからメールチェックをすると、A国大使館の代々木シェフと県庁の榎田さんからのメールが入っていた。
代々木シェフは来週の十二日、十三日、十五日の三日間の午前十から一時間ぐらいだったら時間を作れるとの事だった。
県庁の榎田は「昨日、依田さんに電話を入れさせて頂いたが出て頂けなかったのでメールしました」との題名だった。随分と長い題名のメールだと思った。昨日、愛美が飛んで来て佐野さんからも電話を入れていたと聞いた。
何がそんなに急ぐ事があったのだろうかとメールを読んで行くと、「美術館の植野さんから伺いました。依田さんと大久保さんそして美術館の植野さんが大使館に訪問しアドバイスを受けると伺い、是非とも私どももご一緒に伺わせて頂きたいと思いメールさせて頂きました。」との事だったので何人を予定しているのかの質問のメールを返信した。
人数さえ、そして素性さえしっかりしていれば、何の問題もないとは思ったが、一応、代々木シェフにメールで訊いてみようと思い再度、メール返信のお礼と「訪問時の人数制限の件」と書きメールを送信した。
出勤の準備が出来たので玄関から出るとお向かいの佐々木のお婆さんが出ていた。
「おはようございます」
「おはよう、昨日駐車場のコンクリート打ったんだね?」
「はい、昨日はご馳走様でした」
「うちの娘、料理できないから依田さん、教えてあげてね」と言って笑った。
「いえいえ」
「それにしても良くできているわよね」
「そうですか、凸凹しているじゃないですか?」
「素人だもの、仕方ないわよ」
「そうですよね、目的さえクリアすればOKですものね。」
「それよりもそのセメント代はお宅の社長さんからもらえるのでしょう?」
「そんなのくれるような社長ではないですし、そんな事はこの地域の人が一番良く知っている事じゃないですか?」
「やっぱり噂は本当だったのね」
「噂って何ですか?」
「自分の車は何台も買うけど、社員にはケチだって言う事」
「そんな噂も出ているのですか?」
「副社長の奥さんが、うちの娘も入っている会合で言っていたみたいよ」
「副社長が?」
「そう、副社長の車は、壊れるまで乗せるみたいで、中々買ってくれないみたいだからって言っていたわよ」
「今はプリウスですが」
「多分、その前の車の事じゃないかな?」
「そんな悪評が出回っているんですね」
「お宅の社長さんの噂で良い事は何も無いから、依田さんも気を付けてよ」
「はい、では行ってきます」
「行ってらっしゃい、気を付けて!」
*
朝の出勤と朝食のスタンバイ。
事務所に行くと愛美が既に出勤していた。
「おはようございます!」と和夫が挨拶した。
「おはようございます。私が余計な事を美術館の植野さんに言った事で広まってすみませんでした」と愛美。
「何の事ですか?」と和夫。
「大使館の事です」と愛美。
「別に問題はないと思いますよ。この際、良い機会ですから県庁の方々も一回は面識を作っておいた方が良いじゃないですかね。で、今朝シェフに再度、訪問人数の制限があるかを伺うメールを出しておきましたから」と和夫。
「いつも依田さんに助けられてお礼のしようがありません」と愛美。
「何を言っているのですか。既にお礼なら愛美さんから色々、頂いているじゃないですか?」と和夫。
「えっ?」と愛美。
和夫はニヤッと笑うと愛美は戸惑いながら不安そうな笑みを浮かべた。
「分かりましたか?」
「分かりません……けど……」
「分からないのですか?」
「はい……」
和夫は小声にして、「愛美さんの心ですよ」と言った。
愛美も小声で「はい……、そうですね今、一番好きな人は依田さんですから! でも依田さんは受け入れて下さらないけど!」
「だって仕方ないでしょ?ご主人がいるんだから」と言い箒と塵取りを持ち、朝のルーティーンに向かった。
一通りのルーティーンをこなして事務所に帰って来て、タイムカードを押して、そのまま手を洗ってレストランに行くと、既にホールのスタッフが忙しそうにスタンバイをしていた。
皆に挨拶をして洗い場に行くと、多部と鈴木が仕込みの手伝いをしていた。
「多部さん、おはようございます!」
「おはようございます! 依田さん、あれ~、なんか良い事でもあったの~?」
「うん、あったよ」
「何があったの?」
「昨日、休みだったでしょ、お向かいのお嬢さんにインスタントラーメンを作ってもらったから」
「バカじゃないの、私だったら……。朝からバカな話しするのや~めた」と言って仕込みをし出した。
「鈴木さん、おはようございます」
「おはようございます、多部さんのあの後、何が言いたかったのかな?」
「またエッチな話しに決まっているでしょ」と鈴木。
「だよね~」と和夫が言って調理場に行くと、料理長は朝の責任者会議で居なく、和夫が挨拶する前にスーシェフの神田と三番の新橋から、「おはようございます!」と挨拶されたので、和夫も大きな声で、「おはようございます!」と言った。
新橋が「昨日はお休みでゆっくりできましたか?」と訊いたので、「うん、ゆっくり休んだよ。」と言った。
「昨日、家に帰ってからシャックリが出たのでレモンを食べたら一瞬で治ったのを見た嫁が驚いていましたよ」と新橋が嬉しそうに言った。
「何でも訊いてよ、知っている事は特別に無料で特別に教えるからさ」と和夫。
「では、私にも魚の下ろし方を教えて下さい。勿論、料理長には内緒にしますから」と新橋が言うと、神田も「私も良いですか?」と。
スーシェフの神田は控えめな性格が和夫は好感を持っていて信頼をもしていた。
新橋は学生時代に柔道で名を馳せていたので、明るく体育会系で礼儀正しい所が好きだった。
和夫「料理長に内緒にしてくれればいつでも、特別に無料でお教えしますよ」
二人は「ありがとうございます」と言った。
カウンターに行くと大崎が居てスタンバイを終えてくれていた。
和夫は「ありがとう」と言った。
”You are welcome.”と大崎が言い「今、英語も勉強しています」と言った。
「観光バスの運転手さんになったら英語は話せた方が良いものね。」と和夫。
「依田さんと出会ったので、何でも前向きに考えるようになったのです。」と大崎。
「それは嬉しいよ、ありがとう!」
「こちらがありがとうございます、ですよ。コーヒー淹れますね」
「うん、ありがとう」
*
朝食スタートと朝の賄い。
今日は何やら特別なお客様が朝食に来て、カウンターの上に特別室があり、そこでいつも一人で朝食を取るというのだ。愛美がその事を和夫に伝え、調理場にその客の朝食を作るよう言いに行った。
宿泊した客であれば前日に調理場に連絡してあげれば良いのにと思い、こんな朝の忙しい時に言ったら、それでなくても調理場は忙しくて大変なのにと、やはりフロントスタッフには調理場を経験させないとダメじゃないかと和夫は思った。その客の料理が出来上がった。
生クリームを入れたスクランブルエッグにサラダを添えて、そのサラダもレタスと大根と人参とキャベツのその四種だけしか入れてはダメで、フレンチドレッシングで揉み込んで味付けしたものだった。
カウンターでは勝手を知っている大崎が、コーヒーにもたっぷりと泡立てた生クリームを注いだ、いわゆるウインナーコーヒーだ。そして解凍した玄米パンと黒ゴマパンの二種のみだった。それを愛美が持って行き、食べ終わるまで付き添っていた。
和夫は特別待遇にも程があると思い、帰って来た愛美に、「あのお客様は何者?」と訊いた。古い船などを修復する会社の会長との事だった。
「もしかして新橋産業の会長さん?」と和夫。
「はい、そうです」と愛美。
「良くテレビに出ているものね。だからあんな特別待遇にしているの?」と和夫。
「副社長が、『そうしなさい』と言ったので。」と愛美。
「ふ~ん」和夫。
その後は何の問題もなく朝食は終わった。片付けをした後に朝食の賄いを食した。愛美と大崎と和夫の三人だった。
「愛美さん、料理長から来週の十二日、十三日、十五日の午前十時から一時間ぐらいだったらと予定を教えて頂いたから考えておいて」と和夫。
「はい、品川さんに訊いてみます」と愛美。
「そうして」と和夫。
「何の話しですか?」と大崎。
愛美は言っても良いものなのか困っていたので和夫が、「大使館にアドバイスを頂きに行く話しだよ」
「いいなぁ!」と大崎。
「その後が大変なんだよ」と和夫。
「行きは、ヨイヨイ帰りは怖いって奴ですね?」と大崎。
「そうだよ、ここの会社、人使いが荒いでしょ?」と和夫は愛美を見て言うと、愛美は冗談に聞こえずにいた。
「本当ですよね」と言った後に愛美が「本当にごめんなさい」と真剣に謝った。
和夫は刺激が強過ぎたと思い、「余計な事を言ってごめんなさい」と謝ったが、その後の雰囲気は沈んでしまい和夫は大反省をした。
また和夫は超スピードで食事を終えて食器を洗って中抜き休憩の為、タイムカードを押して大浴場前の床清掃に行った。
*
大浴場前の床洗浄。
大浴場前には自動販売機と隔離された喫煙コーナーがある。レストランから出て右の階段を降りるとそのフロアだ。床は茶色のフローリングだが、副支配人の品川が言うには一回も洗浄しワックスを掛けた事がないと言っていたので、和夫がやる事にした。
既に品川にお願いして買ってもらっていた掃除道具とワックスが来ていたのでそれを使ったまずは掃除中のコーンを出してフロアの半分を立ち入り禁止とした。ホテルは24時間営業なのでお客様を締め出す事はできないので、休み時間にやるしかないのだ。兎に角、急いで洗剤の希釈液を撒いてデッキブラシで擦った
専用のポリッシャーがあれば、和夫は高校三年の一年間の週末には銀座松屋の清掃の夜中のバイトをやっていたのでポリッシャーの扱いには慣れていた。だが、そんなのを買ってほしいと言ったところで買ってくれる訳じゃないし、たまにしかやらない清掃なので勿体ないと思いあえて言わなかった。
後は、本当は銀座松屋のバイトではカッパキと呼んでいたフロワースクイジーが欲しかったが、これも言わずにガラス清掃で使った自前のスクイジーで汚水を集めて雑巾で吸い取りバケツに入れて下水に捨てた。これらの作業を一時間で終えた。
その時に愛美が和夫を探して来て、「またこんな事をしているのですか?」
「社長との約束だから」と和夫。
「私も手伝います」と愛美。
「もう今日は終わったから大丈夫ですよ」
「いつもすみません」
「で、何?」
「大使館に行く日ですが、十三日ではどうですか?」と愛美。
「私はいつでもOKだけど、県庁と植野さんに訊いてみないとね。その前に代々木シェフからの返事が来たら愛美さんから榎田さんと植野さんに訊いてみてよ」と和夫。
「はい」
「では、寮に帰ります、お疲れ様でした」
「お疲れ様でした」
*
セッカチで失敗続きの性格でもそんなに悪くないという話し。
和夫はティールームの本格準備に入るまでに寮の懸案事項は全て終わらせたておきたかった。和夫の頭の中は女性の事ばかりで、それも熟女の人妻の事ばかり考えていて、どうしようもない人間だが、仕事の事になると大真面目な性格で、更にはセッカチさ故に、何でも事前にやっておきたいというタイプで、仕事に追われるのが大嫌いで追っていると疲れも半減するのでこれをいつもの信条としていた。
また仕事は人同士が絡んでやるもので、何かしらのトラブルが発生してしまった時に追われていた仕事だと修復する事ができ難いが、仕事を追っていればその時間はいくらでも取れるから帝丸ホテル時代もやっていた。
ただ、修業の右も左も分からない時代にはそんなセッカチ故の失敗は良く有った。例を出すとキリがない程、繰り返していたのだが、調理場に入って最初にした大失敗は、ボイルしたジャガイモの皮剥きだった。熱いままの状態で皮を剥くのが鉄則だったが、そんな事をスッカリ忘れていた和夫は先輩がジャガイモをボイルして笊にあけて休憩に入る前に和夫に「皮を全部剥いておけ!」との命令だった。
二十キロ以上のジャガイモを一人で皮を剥くには掌が熱過ぎて火傷するので、大きなボウルに水を張ってジャガイモを入れて冷ましてから剥いた。先輩が休憩から帰ってきて、和夫が全部皮を剥いたのが時間的に不思議に思い芋を触ると冷たくて水っぽかった事で「水に入れて冷ましてから剥いたのか?」と言われた。和夫は平然と「はい、そうですが、何か?」と言った時に鍋をぶつけられ、ジャガイモはゴミ箱に全部捨てられた。
そんな失敗をした時に体で覚えて来た。失敗は成功の元とは良く言ったもので、和夫は同期の誰よりもセッカチ故の失敗を重ねた男だった。
その中の印象的な失敗で、その後の料理人人生において失敗した事で為になった事の一つがコンソメの仕込みだった。コンソメは濃いブイヨンを仕込み、肉類の挽肉と野菜類に卵白と塩を混ぜて沸騰させたブイヨンを注いで一気に火を入れ浮き上がってきたら火を弱めて一定時間待ってから静かに漉すと出来上がるのだが、セッカチな和夫は火を弱めない上にグツグツと煮て卵白が分離しコンソメを濁らせてしまった。作り直すには時間が足りなかった責任者から和夫にそのコンソメを直す方法を教えてくれた。
その事で和夫はコンソメの作り方+分離した時の直し方も同時に教わることができたのだ。そんな訳で話しが脱線したが、セッカチな性格的もそんなに悪くないという話しだ。
*
寮の生垣の剪定完了。
コンクリート打ち付けも素人ながら中々、上手くいったと和夫は思っていた。途中、チェンソーの扱いが下手糞なのでコードまで切ってしまい修理した。これがまた時間が掛かった。
今度の休日には、市のごみ焼却所に枝葉を運んで捨てる。惚れ惚れするほど寮の周りは綺麗になったので記念撮影をした。近隣の方々からも褒められ、お礼を言われた。
こんな寮に社員を住まわすのもどうかと思っていた和夫だった。和夫は生垣の剪定で汗を掻いたのでシャワーを浴びていた。いつもの事だが田舎なので玄関の鍵を締めずにいた。向いのお嬢さんがノックをしたが返事がなかったので、ドアを開けて、「すみませ~ん、依田さ~ん!」と声を掛けたが和夫はシャワーの音で聞こえなかった。
昨日、ラーメンをご馳走になって個人的な話しをしていた事から、お嬢さんは親近感が沸いていた事で勝手に上がって和夫を探した。和夫は浴室でシャワーを浴びていて、何となく人の気配を感じたので後ろを振り返ると若奥さんが立っていた。
「どうしたのですか?」と和夫。
「玄関で呼んだけど聞こえなかったみたいだから上がっちゃったの」と、お嬢さんはそう言いながら和夫の下半身に目をやっているのが彼には分かっていた。
「今、出ますから。」と和夫は言ってシャワーを止めて脱衣所に出た。
バスタオルで拭いている姿もお嬢さんがジーッと見ていた。
「そんなにジロジロ見ないで下さいよ。」と和夫。
お嬢さんは恥ずかしそうな顔をして、「玄関にお菓子と缶コーヒー置いてあるから。」と言い、更に「髪の毛伸びて来たみたいだから、近い内にカットしてあげるね。」と言って帰って行った。
お嬢さんと言っても四十歳過ぎだ。
和夫は慌てて着替えてホテルに出勤した。
*
夕食のスタンバイと賄い。
和夫はお向かいのお嬢さんとの会話で時間を食ってしまったので、慌ててホテルに出勤した。既にアルバイトの女子高生が夕食のスタンバイを終えてくれていた。そんな訳で和夫は夕食のスタンバイを未だに良く分かってなかった。
ホールのスタッフに挨拶して洗い場に行って多部と鈴木に挨拶をした後に調理場に行き挨拶した。
「依田さん、ティールームのメニューの件ですが、専務から聞いたのですが、どんな感じにすれば良いのでしょうか?」と料理長。
「シェフがお考えになられたアフタヌーンティーの店のメニューで良いかと思いますよ。県庁の担当者さんが急ぎと言うので宜しくお願いします」と和夫。
「何とか作ってみます」と料理長。
「で、そのメニューの原価計算書とレシピも添えて下さい」と和夫。
「原価計算書とレシピの書き方が分からないのですが」と料理長。
「手書きでも良いですから、できましたら専務にエクセルかワードに清書してもらえば良いですから」と和夫。
「では作ってみます」と料理長。
「では、お願いします」と和夫。
和夫は料理長が原価計算書やレシピを書いた事が無いと言っていた事に驚きを隠せなかった。
夕食がスタートして問題なく終わった。
片付けをして夕食の賄いを食べた。山形と愛美と和夫のいつもの顔ぶれだった。
「最近、愛美さんと依田さんが一緒に行動していて、夕食に顔を出さない時があるんだけど、何をやっているの?」と山形。
「山下湖畔にある美術館の中のティールームをうちのホテルで営業する事になってその準備で動き回っているの」と愛美。
「そうだったのね、でも依田さんは良い男だから専務、ダメよ、新婚さんなんだから」と山形。
「山形さん、急に何を想像しているんですか?」と愛美。
「山形さん、急にどうしたの?もしかして旦那さんとレスになったとか?」と和夫。
「主人とは前からだけど、男女が同じ仕事をすると、そんな関係になっちゃう事って良く有るでしょ?」と山形。
「愛美さんだって選ぶ権利があるし、私のようなブ男じゃねぇ?」と和夫。
「私だったら依田さんは是非ともだけど、愛美さんは?」と山形。
「私は主人がいるから……」
「そうよね、安心した。依田さんはホテルのオバチャンたちのアイドルだから絶対にダメだからね。皆、最近それを心配しているんだから」と山形。
「は~い、気を付けます!」と言うと山形は笑った。
最近のホテル内ではこのような話しを言い合うのが普通になっていた。これも和夫が振り撒いているエッチな話しの影響だった。
和夫はまた慌てて食事を終えて寮に帰った。
大使館の代々木シェフからと県庁の榎田氏からのメールが入っていた。代々木シェフは人数さえ決めてもらえばOKとの事だった。
榎田からの報告では榎田、佐野、石川の三名との事だった。和夫は榎田に来週の十三日の現地に午前十時でとのメールをした。
直ぐに返信があって、了解との事で、代々木シェフに再度、メールをして全員で六名、メンバーが山無県庁で榎田明、佐野武、石川祥子、山下湖美術館で植野みゆき、ホテルから大久保愛美、依田和夫でメールを送った。
和夫はその後、睡魔に襲われ洗濯も入浴もせずに泥のように眠った。
つづく
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