人生が二度あったので押し掛け女房に翻弄された男が純愛を貫き壮大な夢を叶える物語

主人公の現世では押し掛け女房に出逢い翻弄されるが、死後の異世界では愛妻と望んでいた幸せなスローライフを満喫します
K.Yoda K
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第六話 休日三日目 寮の前の駐車場のコンクリート作業

公開日時: 2022年4月9日(土) 13:02
更新日時: 2022年4月9日(土) 20:20
文字数:1,584

寮の前の駐車場のコンクリート作業。

ホームセンターが開いた時間に行き、セメントと川砂とワイヤーメッシュを買って来て始めたまずはワイヤーメッシュを駐車場に敷き詰め、下に石ころを置いて揚げ底にした。


 ゴミ屋敷の庭に変な棒が刺さっていたブロックが有ったので、それも玄関の三和土の揚げ底に使おうと思った。少しでも資材を買う金を少なくする為だった。

 

 昼過ぎになった時に愛美が来て、「ケータイに電話しても出なかったから。」と言われたが、コンクリートを打つ工事の様子を見て絶句していた。「こんな事もさせて本当にすみません」と愛美が言った。

 

 和夫は向いの家に聞こえないように、「お向いの若奥様から、『砂利が飛び出て掃除が大変だから。』と言われたからやっているだけだから気にしないで」と言った。

 

「資材代だけでも会社で払うから請求して下さい」と愛美が言った。

 

「そんなのを請求したって副社長や社長は出してくれないから良いですよ。山下湖まで行く通勤のガソリン代だってまともにもらえないのに、無理でしょ?」と言った。

 

「だったら私が個人で支払うので」と愛美が言った。

 

「愛美さんには悪いけど、社長と副社長に対して、私自身はもう信頼していないから請求はしないですから」と和夫は言った。

 

 愛美は物凄く悲しい顔をしていたが、和夫に対しての社長と副社長の仕打ちがあまりにも酷かったので信頼できなくなっていた。

 

「私、本当に悲しいです。依田さんは会社の為に必死にやってくれているのに、うちの父や母は自分たちの事ばかりを考えているんだから」と愛美。

 

「ところで、何しに来たの?」

 

「県庁の佐野さんから電話で依田さんが電話に出ないって言うので伝えに来たの」と愛美。

 

「何ておっしゃっていた?」

 

「早急にメニューを提出してくださいと」

 

「だったら、愛美さんから料理長にティールームのメニューを作ってもらうように話して下さいよ」と和夫。

 

「分かりました」

 

「それでは宜しくお願いします!」

 

「私、お手伝いしなくて良いんですか?」と愛美。

 

「大丈夫ですから心配しないで!」

 

「すみません」

 

「それより愛美さんもお休みしていないんじゃないですか?」

 

「私は経営者だから仕方ないです。でもこうやって依田さんに会う時がお休みみたいなものでストレス発散になりますから」と愛美。

 

「そう言ってもらえると嬉しいもんだね。では!」と和夫は明るく言った。

 

 

ゴミ屋敷の庭の中にブロックが有ったので、上げ底で並べてみた。ゴミ屋敷の壊れた棚の引き出しを使って砂利と砂とセメントに水を入れて捏ねてコンクリートを作った。何とか夕方までにコンクリート打ちが終わった。

 

 汗を拭いているとまたお向かいの若奥様が来て、「本当にごめんなさい」とまた言った。

 

「本当に気にしないで下さい」と和夫が言った。

 

「これ、飲んで。」と佐々木さんのお嬢さんが言って缶コーヒーを二本くれた。

 

 それよりも朝から一食も食べてなかったので腹が減っていた。

 

「ご飯、食べたの?」とお嬢さん。

 

「朝からやっていたので忘れていました」と和夫。

 

「お母さんが出掛けているから、居れば何か美味しい物を作ってくれるんだけど私、料理下手だからインスタントラーメンぐらいしかできないの」とお嬢さん。

 

「図々しいのですがインスタントラーメンを作って頂けますか?」と和夫。

 

「本当にそれで良いの?」

 

「はい、思い出したら死にそうに腹減ってきたので」

 

「じゃぁ、家に来て。」

 

「図々しいですけど、お邪魔します。」と言って汗を拭きながら行った。

 

下着のシャツも汗でビッショリだったので、「すみません、着替えてきます」と和夫は言った。

 

「お詫びに洗濯して上げるから脱いで」と言われた。

 

「洗濯までしてもらったら申し訳ないので着替えて来ますから」と言って寮に帰って着替えてまたお邪魔した。

 

 ラーメンをご馳走になりながらお嬢さんの個人的な話しを聞いてその後、帰宅した。

 

 つづく

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