正和の眼の中に入れても痛くない一人娘の大久保愛美(おおくぼまなみ)(以下、愛美)は現在三十歳で一九八八年生まれ。高校から東京で過ごし、スペインの大学を卒業し、サンツリーワインインターナショナル株式会社に就職した。
スペインに留学し大学卒業後、帰国しサンツリーワインインターナショナル株式会社を退職し結婚後に、正和が経営する富士ホテルズジャパンに入社し、直ぐに専務取締役に就任。
愛美と高木茂雄(後に夫になり大久保姓を名乗る)は会社間交流会に参加し出会った。高木は当時、愛美と同じサンツリーの傘下企業のサンツリー食品インターナショナル株式会社に勤務していた。弾弾、隣の席になったことで意気投合し付き合うことになった。
正和は愛美に物心が付いた時期から言っていた言葉があり、「結婚を決める前には必ず性交渉をして自身と相手との性生活が合うかどうかを確認した上で結婚を考えなさい」だった。愛美はその父を尊敬していた事もあり、正和の指導を忠実に守り、高木に性交渉を頼んだ。
高木は茨木県の警察署長の三男として生まれた事で、跡取りの居なかった正和の家に婿養子として入る事を親も認めてくれて結婚に至った。正和の社員たちがこの高木の経歴を聞いた時に「大会社のそれも東証大証一部上場のサンツリーを辞めて、わざわざこの借金だらけの会社に来る高木を可愛そうで不憫な奴」と思っていた。
常務(娘婿)大久保茂雄(旧姓高木)(三十三歳)は一九八五年生まれ
日本の有名大学を卒業後、サンツリー食品インターナショナル株式会社を退職し結婚後に愛美の父親が経営する富士ホテルズジャパンに入社し、常務取締役に就任する。
つづく
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