前夫の大塚隆太の自殺後、社長の正和は大塚妙子を自身の妾とした。大塚隆太と結婚して買った家はそのままにしていたが、正和は妙子を妾にするための条件として、隣市に新築の家を買い与える事を進言すると妙子は二つ返事で妾となった。
その後はプチホテルの老朽化に伴い営業終了をし、新たに別の場所に温泉を掘りあて、ホテルヨーロッパを開業したと同時にそのホテルの総支配人として妙子を採用し、昼は総支配人室で仕事をさせ、その部屋で妙子と夫婦同然の営みをしていた。この話しはホテルヨーロッパに勤務していたスタッフから和夫が聞いた事だった。仕事を終えた妙子は隣市の家に帰らせるという生活だった。妙子には三人の成人したニートの息子が居たが、生前の大塚隆太と妙子で築いた旧宅にその三人を住まわせていた。後にその旧宅が和夫の社員寮になる。
その後、社長の正和はホテルヨーロッパの道路を挟んだ向かいの空き地にホテルリラックスヨーロッパを建設し開業した。このホテルの総支配人も妙子にやらせた。
正和はホテルヨーロッパやその近辺の関連施設に驛前ホテル一号館の副社長の寿江(としえ)やスタッフが出入りする事を極度に嫌い来た時には正和自身が激怒していた。
その後、市内にガソリンスタンドやお土産屋そして喫茶店などを開業するが、これら全てを妙子に支配人をさせた。
この当時は正妻の寿江は正和の一人娘の愛美を育てるため、専業主婦をしていた事で正和は事業に参加させる事はしなかった。
そんな事もあり、正和と妙子の関係は富士ホテルズジャパン株式会社の全社員は元より、その地域の人たちの噂話しとしては良く上っていたが、正妻の寿江の耳には一切入って来なかったが後には耳に入る事になる。それだけに寿江は驛前ホテル一号館の売上や純利益に執着して、正和と妙子にライバル意識を燃やして、驛前一号館のスタッフたちの給料やボーナスを下げてでも純利益を上げるという手法を繰り返し、スタッフから信用が無くなる事に繋がっていた。
その最たる被害者が主人公の和夫であり、この大塚妙子の旧邸を社長の正和が社員寮とした事で、彼は毎日のように掃除やゴミ捨てに追われる事になり、寿江と正和からの苛めにも遭う事になる。
つづく
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